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2011年 01月 17日 月曜日

震災から16年目の今日、私は、『人と防災未来センター』での語り部のボランティアに当たった。ある方に私が語りかけると、振り返ったその目に涙が‥ あふれていた。私は、言葉を飲み込んだ。きっと、この人は子どもかご主人が焼死されたのだろう。長田区の、火災の写真パネルの前だった。

このボランティアの難しさを、改めて思い知った。語り部の中には、熱心さのあまり、静かにパネルを見ている人に説明しましょうかと声を掛ける方もある。喜ばれることもあるが、一人で思いに増えるために来ている人もおられるのだ。

そんな、センター。いつもはひっそりだが、今日は、無料ということもあるのか、或いは組まれていた色々な企画のお陰か、沢山の来館者で、久しぶりに賑わった。約40人の方々に、どこからかお出でかお尋ねすると、10人が県外、30人は市内または震災経験者だった。お話しして分かったのだが、皆さん、その当時の話しを「聞いて欲しい」のだ。懸命に、当時の苦労を語り、お教え下さる。

私の役は語り部なのに、聞き取り部になってしまっていたわけだが、それで良いのだ。聞いてさし上げることによって、その当時の苦しみから少しでも解放されるなら、このボランティアも生きてくる。ひたすら、耳を傾けて、心の中で、つぶやく‥16年耐えてきたのだから、もう、荷を降ろしても良いですよ、と。