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2023年 04月 11日 火曜日

今に、高齢者からすばらしい発明や発見がなされ、企業やNPOが生まれる事になるだろうと… そんな希望を抱いたのは、学校法人甲南学園(甲南大学/甲南高等学校・甲南中学校)の長坂 悦敬 理事長(元甲南大学学長)が議長室を訪れて下さって、伺ったお話しから。

実は当局から私に報告があって、神戸市の公益財団法人神戸国際コミュニティーセンターの理事長に神戸市からお願いして、就任して頂く事になっていると聞いていた。長坂先生のご就任は実績・人望・力量からいって申し分なく、私は大賛成で、たいへん嬉しかった。

神戸市の方向性、特に外国人問題とか大学連携とかについて少し意見交換もさせてほしかったので、お話しする時間を頂きたいとお願いしていた事もあって、4月6日午後4時、わざわざ覗いて下さったのだ。恐縮しながら楽しい会話ができ、長坂先生から甲南大学の現状がうかがえたし、新たに甲南大学出版会から出版された「平生フィロソフィ」の御本も頂戴した。

長坂先生の
「これからの大学の生き残り競争が激しくなる中で大切なことは、地域や自治体と組んで甲南大学が地域の有益な社会システムである事を示し、神戸の本山にある事によって本山に集まり住み続ける人々の、向学心や生きがいにとって必要なシステムとなる事です」
とのお言葉に、感動した。私は、私が甲南大学の学友会(自治会)の会長として、阪急から以北を日本三番目の文教地区となるよう、文教地区指定運動を学生・住民・教員や甲南女子大学や神戸薬科大学と組んで成功した経緯をお話しした。
「つまり、この文教地区は、生涯この地区で子育てをし、社会貢献をし、人格を磨き人生の生きがいを感じる地区として存在する事になったのです」
と私が説明すると、長坂先生から
「お話しの通りで、文教地区の指定を受けた恩恵は大きいです。これを受けて甲南大学は、社会人対象プログラムを構成した。つまり社会人として60代70代で退職された方がもう一度学問をしたり、新しいソーシャルビジネスを育成したり、最後まで生きがいのある人生を送るシステムとして、甲南大学の構築を整えました」
と説明を受けた。

こうした動きによって、神戸市も、神戸市内にある大学が連携し、同じようなシステム…つまり、プラットフォームを作成できるよう、また、その推進役を長坂先生にやって頂こうと考えたようだ。私は、素晴らしい選択だと思う。

高齢者学生(シニア・ハイスチューデント)と、孫のように年の離れた学生たちとが図書館や学生食堂で交わり、お互いが補填し合うことによって理解を深め、自制心と寛容な心が生まれるだろう。そうすれば、些細な事での逆上や、電車の中で肩や手が触れただけで起こる諍いはきっと無くなる。高齢者は、道端に座る若者の行動に寛容になり、若者は高齢者のノロノロ歩行に寄り添う心を持つ。

そんな皆が優しく、安心して住める本山文教地区を作ろうと、二人で語り合った。その第一歩として、私も、甲南大学社会人対象プログラムに応募しようと思っている。
写真 議長室で