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2023年 03月 24日 金曜日

午前10時から令和5年度第1回定例市会の最終日が開かれた、3月23日。この日の閉会の挨拶が、私の神戸市市会議員として、又、議長としての… 本会議場での最後のスピーチとなった。

前日まで原稿を何度も精査していたのだが、読み返していて、涙が出て来る時もあったのは、45年間の思いが心を(あやま)ったからだ。

23日の朝、いつものように仏壇の蝋燭に火を点し、父母に線香を立てながら、ご挨拶を申しあげ、この私が80歳になるまで、無事に議員を務めあげられたお礼をして、本会議にのぞんだ。

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私は、本当に幸せ者だ。最後にこうして、スピーチの場を与えて下さった、安達団長を始めとする自民党ほか68名の議員仲間。そして市長、局長の皆様。市会事務局の優しさが身に沁みた。

同じく引退を決意した議員の方々がいらっしゃるのだが、このような挨拶の場を与えられず、淡々と引退される姿には、勇気があるとの思いを抱いた。おそらく、私と同じような感慨をお持ちだろうと思い、その方々の分も含めて心を込めて、つたなくも語った。それでも、あいさつの後には野党の皆様からも、そして市長を始め本会議場の全員からも盛大な拍手を頂けたのには、感謝の限りだ。

さらに閉会後には二、三の局長から「感動しました」と仰っていただき、ある方からは「原稿が欲しい」とのお声がけを頂き、大変恐縮している。

夜には自民党会派の打ち上げの宴があって、その場でも少しだけ…
「絶対に、自民党が分裂してはならない。分裂は市民へ申し訳が立たない。会派の運営が公平に行われ、政策論争を重ね、今よりさらにもっと市民に期待される会派になってほしい」と、思いを述べさせてもらい、これを最後のご挨拶とした。

「皆様、45年間、本当にありがとうございました」… 最後に、つたないスピーチではあるが、議長としての挨拶文を掲載したい。

――令和5年第1回定例市会(2月議会終了時)議長挨拶文――

この際、私からも一言ごあいさつを申し上げます。

この2月議会には、私たち議員の任期 4年間における最後の予算である令和5年度当初予算をはじめ、多くの重要議案が提出されました。選挙を控えた中ではありましたが、いずれも熱心かつ建設的な議論が尽くされ、適切な議決を見、本日ここに、2月議会の終了という大きな節目を迎えることができましたことは、誠に感謝をいたします。

議員の皆様 並びに理事者各位に、厚く御礼を申し上げます。

当局におかれましては、審議の過程で表明されました市会の要望・意見を踏まえ、神戸の未来のまちづくりのための施策を迅速に執行していただきますとともに、市会との連携を十分に図りながら、市民の命と健康を守り、神戸経済を回復・発展させるべく、一層のご努力をいただきますよう、お願い申し上げます。

さて、神戸市会は、明治22年に始まり、私たちはこの議会の場で様々な歴史を積み重ねてきました。
133年にわたる歴史の中で、神戸市会は、神戸市民にとって、本当に重要な役割を果たしてまいりました。
市内で7千人以上が亡くなったとされるスペイン風邪の流行や、第二次世界大戦下での神戸大空襲。阪神大水害や阪神・淡路大震災など大規模な自然災害。また、近年では新型コロナウィルス禍など、神戸は幾度となく大きな困難に見舞われてまいりましたが、その都度、議会が重要な決断をし、神戸市が歩むべき道を示してまいりました。

また、市民の間でも賛否が二分された関西新空港建設を否決したことなど、その後の神戸市政に長年にわたり大きな影響を及ぼした判断もございました。
昨年、神戸空港を取り巻く社会経済情勢が大きく変化する中で、あらためて「神戸空港の推進に関する決議」が行われたことは、誠に感慨深く思うところであります。

議会は、二元代表制という大原則の中で、当局と議論し、ある時は反対し、また、あるときは賛成・協調し、共に市民の暮らしと命を守るため、歩んでまいりました。

その中で大事なことは、議会が法と正義と公平の観点に立ち、威厳を保持することであります。そのためには、私たち議員の一人ひとりが構成員として、神戸市会にふさわしい先見性を持ち、研鑽に裏打ちされた英知をもって、市民のために発言をしなければなりません。

そのためにも、平成24年には「神戸市会 活性化に向けた改革検討会」で、議会の在り方について検討し、その検討を通じて、議会基本条例を制定いたしました。

さらに、議会が真に市民の為の議会となるためには、市会事務局の在り方をはじめ、市民への広報や議員の権能、当局との距離の取り方等、いまだ多くの課題があると考えています。

私は45年間、神戸を愛し、何よりも議会を愛し続け、微力を捧げてまいりました。
久元市長をはじめ当局の皆様、神戸市会の議員の皆様、また私と関わってくださった全ての皆様に、この場をお借りして、心より御礼申し上げます。

この4月には統一地方選挙も控えておりますが、ふたたび、この議場にて神戸市会の新しい歴史をつくってくださいますよう、心からお願いを申し上げまして、甚だ簡単ではございますが、閉会のごあいさつとさせていただきます。

誠にありがとうございました。
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