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2014年 09月 05日 金曜日

世界最大としてギネスに登録された凄いちぎり絵が、神戸にあるのをご存じだろうか。神戸の歴史や港が表現されているその作品とは、約700人が幅1.8メートル、長さ40.5メートルの和紙を使って完成させた、絵。久元きぞう市長も… その作品制作に、一部だが参加された。ポートピアホテルの大ホールで作製された、神戸から世界に向けての和紙ちぎり絵文化の発信だった。

そんな大きな話題もあった、日本の和紙をちぎって貼った芸術作品だが、去る8月20日から24日には、兵庫県内在住または在学中の小学生に作品を募った「ひょうご小学生の和紙ちぎり絵展」が、公益財団法人日本和紙ちぎり絵協会の主催により、神戸市灘区原田通の原田の森ギャラリーで行われた。私もご招待を賜って、足を運んだ。

およそ2,000点にも及ぶ、個人及びチームでの作品が並ぶ展覧会場で、私は、その内容の豊かさに本当に感動した。今まで日本各地で行われていたそうだが、神戸では初めてだという。

和紙ちぎり絵協会の代表理事の田中悠子さんも、日本中にこの新しい文化を広めるために一生懸命に働いておられる。皇室関係者からも高い評価を受けているという、当日展示されていた彼女の作品も美しいものだった。

公益財団法人日本和紙ちぎり絵協会のエンジンともいえる主力は、神戸市東灘区在住の中野 肇設立代表相談役。神戸和紙を考案され、その和紙でのちぎり絵を押し進められた。言わば、ちぎり絵は神戸にとって、最も大切な地元文化の一つなのである。

旧北野小学校校舎を利用した観光スポット「北野公房のまち」に漉き場を構える、本格的な漉きによる神戸和紙の特徴は、美しい事は勿論、その剥ぎやすさにもあるそうだ。単に和紙をちぎって貼るだけでなく、和紙を薄く削いで貼る事で、遠近感や濃淡が表現され、新しい芸術感が出て作品が生きてくる。そんな、可能性を秘めた神戸和紙によるちぎり絵が創造されのだ。

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ごあいさつに立った私は、「神戸から、新しい文化を創造しようではないか。今日、素晴らしい作品を出展された子供達が、まず第一段階の新しい神戸文化の担い手となる」とお話しした。

来年は、あのいまわしい阪神淡路大震災から20周年にあたる。そこで私は、「失った物も多いが、新しく始まったものもある」と、日本中の人々に知ってもらうために、来年5月に行われる神戸パレードでは、冒頭に紹介したギネス記録の作品を皆で掲げて、フラワー通りを行進しアピールしてはどうかと提案している。

許されるなら、私もその他大勢の一人として、紙の一隅を持ちたい。市長も、その時にはオープンカーから降りて、新しい神戸文化の発信のために、一緒に歩いて欲しいと願っている。
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