Skip to main content.

2014年 03月 04日 火曜日

余生も、世のため人のために、同士と一緒に働けるだろうか ─ 私なら、どうするだろう。最後まで何かを訴え続けて、散るのだろうか… そんな感慨を持ったのが、去る3月1日土曜日、大阪府立国際会議場にて開催された、第42回関西広域連合議会。

13時からの議会で、神戸市議に与えられた発言時間は、今回もわずか4分。そこで、前回に引き継いで西区の前島議員がお譲って下さた時間を合わせ、8分の発言時間を頂戴した。議員には、本当に感謝している。

私は今回も、1. 国家戦略特区の医療分野における大阪、京都、神戸の棲み分け 2. 道州制における政令指定都市の位置づけ、そして、3. 関西マスターズゲームズ2021の認知度を上げる件の3つについて質した。大阪府の松井知事や兵庫県の井戸知事と質疑したいので、議論をしかけて行くために、箇条的に質問して、答弁を聞いては反論するようにした。

松井知事は決まり文句で、
「特区が決定すれば、各自治体と相談したい」
と、答弁した。それは満点の答弁であり、
「その通りだが、それぞれの都市の役割分担が公平で事実に基づいたものでないと、関西の役にも、人類の役にも立たない。政治力とか財界力で決めてはならない ─ その事を、明確にするべきである」
と、反論した。これに対し、松井知事は又、同じ答弁を繰り返した。前回彼は、
「神戸市には関西最大の医療クラスターがあるが、我々にもある」
と、反論したのだ。だから、私から見れば、実力も実績も、神戸。なのに、何もかも大阪が持って行くのでは公平どころではなく、むしろ医学の進歩を遅らせすらする、と訴えているのだが、ついに、井戸連合長が松井知事を助ける…訳ではないだろうが、
「その件については、関西イノベーション推進室でも議論していきます」
と答弁した。私は、
「この関西イノベーション推進室が、公平であってもらいたい」
と突っ込みたかったが、残念ながら、時間が足りない。続く政令市の位置づけについては、前回と同じで、井戸知事とは平行線のままだった。

私が今回勉強していった「政府が出して来た地方自治会法の一部を改正する法律の中に、普通地方公共団体の広域連携制度について連携協約制度が盛り込まれた事について、これこそ県が果たすべき事である」と指摘したのに対して、井戸知事は
「連携協約制度が今更なぜ必要なのか私には分からない」
と、異議を提したのだ。

これは、分かりやすく言えば、東灘区より少ない人口の芦屋市が市民病院を運営するのは難しいので、その分野は神戸にさせる、といった契約をするよう仕向ける制度である。私自身は、そうした制度に賛成なのだが、これ又時間が足りなかった。

当日は多くの各県からの県会議員や政令都市の市会議員が演壇に立った。中には、よく研究し、論陣を張る論客もいるが、ほとんどが当局の書いたものを読み上げるだけ。中には、自分の身に付いた質問でないからか、読み上げるだけ読み上げて、質問席に座らず、自席に帰った議員もいた。私は、信頼する兵庫県議員に、「兵庫県の20分から、例え1分でも2分でも良いから神戸市に欲しい」とお願いした。

ところで、68歳の竹内資浩徳島県議が、同日の代表質問で
「この代表質問が、私の最後の質問となります。私は癌に冒され、今や大腸に転移しました。私は、余生を癌と戦うとともに、世のため人のために、同士と一緒に働く覚悟です」
と述べた。その当初から関西広域連合議員としてご活躍なさってこられた氏は、「輝く関西を築くためと頑張り、徳島県民にこの身を捧げた」とも述べ、大阪の橋下市長に、
「立派な政治家ではあるが、忍耐と我慢を身につけて欲しい。そして、マスターズには、大阪府と大阪市が参加して欲しい」
と、訴えられた。みな、彼の最後のスピーチに聞き入っていて、最後は大変な拍手だった。私も、心からの拍手を送った。

そしてふと、私だったらどうするか、と思った。いつだったか、ドクターという映画を観た。著名なドクターが、癌になる。他の医師に助けを求めているうちに、ある女性の患者と知り合って、ドライブに行く。そして、数日経った時、その女性は死去する。誰にも言わず、淡々と運命を受け入れ、静かに去って行った彼女にドクターは衝撃を受け、有名ではないが、親切で優しいドクターの所へ行くのである。

同じ闘病者でも、最後の燃え尽き方は、大きく違う。私は、どちらだろうかと考えた。ある意味、それは政治家の性かもしれない、とも思った一日だった。