▲ 続いて欲しい努力。そちらこそご苦労様。
日本人には、消防官に対する敬意が少なすぎるように、常々思う。わずか3年間とはいえ、アメリカで生活した時に感じたのが、アメリカ人の消防官に対する深い尊敬。”消防一家”と言う言葉があるが、三代に渡って消防官であることを誇りとしている人が多い。それを痛切に感じたのが、例のニューヨークのワールドトレードセンターテロ。アメリカ全土から、消防官OB達が黙って、納屋から制服とヘルメットを出して救援に駆けつけた。ニューヨーク市民は、それを拍手と涙で迎えたのだ。
半年後に現地を訪れて、私は、アメリカが本気で怒っていることと、アメリカ人の消防官に対する思いを感じ取った。街のショップには、当時のジョージ・ブッシュ大統領・ルドルフ・ジュリアーニ市長とともに消防署署長が一緒に、三人で写った写真が売られていて、思わず買ってしまった。今も、事務所に飾ってある。
今回、こうして消防官が制服で会場を回るのは、子供達の教育上も、消防を身近に感じられるいい機会だ。少なくとも、署長が私服でひな壇に座っているよりは遙かに、効果があるだろう。良いことをはじめてくれたと思う。残る課題は、継続。続けることで本物の効果が上がり、実って行くのだけれど…今は、そっと見守るとしよう。