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2010年 08月 21日 土曜日

神戸市民病院が地方行政法人となり、議会の審査対象から外れ、独立独歩することとなった第一年目の今年。神戸市民病院に対する注目の評価が、昨日発表された。評価結果書類は126ページに及ぶ分厚いもので… 大項目と小項目評価に分かれている。

中でも大切な2つの大項目「市民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上」及び「業務運営の改善及び効率化」については、
「理事長、院長以下職員が一丸となって中央市民病院は市全域の基幹病院として、西市民病院は市街地西部の中核病院として、地域医療機関との連携及び役割分担のもとで、市民の生命と健康を守るという役割を果たしたことは、高く評価できる」
として、B評価(概ね順調に進んでいる)が妥当だと判断されている。

経営面では、理事長及び院長のリーダーシップにより、医業収益の増加、材料費の合理化が行われた結果、平成21年度決算においては、法人全体の単年度資金収支0.6億円赤字という目標を大幅に上回る14.1億円の黒字となったことから、A評価だ。

私が関心を持っていたのは「市民から見た市民病院はどうなのか」。
例えば、”次はどこに行けばいいのか”、”医師の説明は分かりやすいか”、”全体が親切か”といったところの評価が見たかった。これらは小項目とはいえ、待ち時間一つに関しても、全国の病院において永遠の課題だろう。評価には「待ち時間の目安が分かるシステムが必要」と明記されている。つまり「ある程度待つ覚悟でいて下さい」という判断のようだ。私が以前、待つのを覚悟して診察に行った時は、1時間15分待って3分の診断だった。それでもいいのだが、いつ呼ばれるかと、トイレにも行きづらかったのを覚えている。

予想図
▲ 落成予想図
入れ物ばかり綺麗になっても…
地方独立行政法人神戸市民病院機構評価委員会は、委員長の同志社大学経済学部 伊多波良雄 教授をはじめとして、8人のその道の専門家で構成されているが、この評価委員の方々、利用者の意見をどれくらい聴取されたのだろうか。

市民は意外なことに不便を感じ、いら立つものだ。私がそんな立場に立った時は、常に「外国の病院はもっとひどい、日本の病院は優秀で利用者への配慮は十分すぎる。だから、この程度でいい」と無理に思い込むようにして我慢している。病院側も、きっと努力を続けて下さっていると思うものの、病院で一日が潰れてしまうのは、珍しいことではない。収益も大事だが、どうか、患者の立場、市民視線を忘れずにいてもらいたい。