周囲の方々も… 様々な機会をとらえては、土地所有者の方に善処をいただくよう、市を通じてお願いしてきたのだが、震災後15年が経とうというのに、何ら策が講じられない。土地所有者はずっと市営住宅に入居されており、病気がちなのを理由に、いっこうに改善の余地がないのである。
実は、地元自治会長から、改善を求めた陳情書が平成17年5月にも提出されたのだが、市の策は、たった一日の面接と、あとは電話でお願いする程度のことに留まった。近隣の苦しみや不安を理解しようともせず、合法性を理由に手をこまねいた結果、まさに陳情は無視された状況であった。
▲350名以上の署名を添えて陳情
が、市側は
「これから、消防・衛生局を合わせて対策会議を持つなど総合的な検討を加え、土地所有者に協力を求めていきたい。今、やっと、所有者と楽にお話しができるようになったから…」と発言。
▲地元がいかに苦しんでいるか…
「15年もたってそんな事でしたか。私達は自分の家のローンを組んで建て直し、苦しい生活の中で税金を払い、毎日生活をしています。一方では大きな敷地を持ちながら、荒れるに任せ、市営住宅という安全地帯に身をおいて…同情をされるのは、私達の方です。お互いに近所に心配をかけたり、迷惑を掛けない事がマナーではないのですか。合法的である事は正義なのですか。合法的であるから手を出さない事は役人として使命を果たし、公平な行為なのですか」と、怒りの声が出た。
市は、
「まず、相手の心をほぐしながら頑張っていきます。とりあえずいろいろな角度から検討します」と答えていたが、さて、震災から15年、我々はいろいろな教訓を得た。中でも悲しいのは、声の大きい人、強引な人、要領のいい人が得をするという不公平感を市民の方々が持たれた事だ。
本当に悲しい。この原因は、単に震災という天災だったのだろうか。それとも、我々の心や役人根性だろうか…