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2009年 12月 19日 土曜日

阪神淡路大震災で全壊し、未だにそのまま放置されブルーシートが残り、ネコの住処となっている東灘区北青木の大きな屋敷について書いたのは、10月8日。台風や大雨の時にものが飛んできたり、激しい音を立てる等するので、近隣の方々が恐々としておられる。それに、浮浪者が入るとか、放火されるなど、色々と心配しておられる事も、お伺いしている。

周囲の方々も… 様々な機会をとらえては、土地所有者の方に善処をいただくよう、市を通じてお願いしてきたのだが、震災後15年が経とうというのに、何ら策が講じられない。土地所有者はずっと市営住宅に入居されており、病気がちなのを理由に、いっこうに改善の余地がないのである。

実は、地元自治会長から、改善を求めた陳情書が平成17年5月にも提出されたのだが、市の策は、たった一日の面接と、あとは電話でお願いする程度のことに留まった。近隣の苦しみや不安を理解しようともせず、合法性を理由に手をこまねいた結果、まさに陳情は無視された状況であった。


▲350名以上の署名を添えて陳情
そこで、12月14日、神戸市都市計画局住宅安全課参事に加え、課長・係長も同席した場において、塚本自治会長他近隣の方を含め4人が、350名以上の署名を携え、地元からの再度の陳情に望んだ。今回は、今までの経過を詳しく伝え、苦しみを訴えられたので、当局もやっと問題の本質を理解をした様子だった。

が、市側は
「これから、消防・衛生局を合わせて対策会議を持つなど総合的な検討を加え、土地所有者に協力を求めていきたい。今、やっと、所有者と楽にお話しができるようになったから…」
と発言。


▲地元がいかに苦しんでいるか…
これに対し周辺住民の方からは、
「15年もたってそんな事でしたか。私達は自分の家のローンを組んで建て直し、苦しい生活の中で税金を払い、毎日生活をしています。一方では大きな敷地を持ちながら、荒れるに任せ、市営住宅という安全地帯に身をおいて…同情をされるのは、私達の方です。お互いに近所に心配をかけたり、迷惑を掛けない事がマナーではないのですか。合法的である事は正義なのですか。合法的であるから手を出さない事は役人として使命を果たし、公平な行為なのですか」
と、怒りの声が出た。

市は、
「まず、相手の心をほぐしながら頑張っていきます。とりあえずいろいろな角度から検討します」
と答えていたが、さて、震災から15年、我々はいろいろな教訓を得た。中でも悲しいのは、声の大きい人、強引な人、要領のいい人が得をするという不公平感を市民の方々が持たれた事だ。

本当に悲しい。この原因は、単に震災という天災だったのだろうか。それとも、我々の心や役人根性だろうか…