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2009年 11月 01日 日曜日

28日、総務財政委員会の出張で、宮崎市役所で「みやざきアイビー債」と「九州一の景観条例」について見学すべく、伊丹空港から飛び立った。出張する度に学ぶ事は少なくないのだが、今回の宮崎市での収穫は、残念ながら少なかった。

▲あれこれと、質問
まず、市民の中にツタのように絡まっていく事から、そう名付けられたという「アイビー債」は、別に市債と変わりはない。神戸市の市債はもっと活発であるし、類似のマルク債・ユーロドル債・フラン債・債券などは、まさに神戸市が先駆者ともいえるほど。

一方、景観条例は、人口36万9000人で観光文化都市を目指しているだけに、美観について大変重要視されており、立派なものだった。

例えば、平成20年に屋外広告物実態調査を実施した結果、未申請の物件が全体の60%あると分かった。その60%の内、40%が基準に不適合だったそうで、条例で、屋外広告物は原則許可制とした。さらに、地域に応じて広告物の種類や大きさの基準を決めた。建築物等の色についても色彩誘導していて、色見本を作り、それぞれの色でもドギツイ色とか、派手すぎる色などを区別し、基準値と推奨値に分け、最低ラインを基準値までとした。要するに、山並みや自然、背景から浮いて出てはダメという事。かなり厳しい規制が敷かれている。


▲問題のホテルのネオン
広告物はすべて事前相談をして、許可を申請し、内容審査を経て許可される制度となっている。特に平成18年6月から、

  1. 建築物の色彩基準の導入

  2. 適合しない場合の勧告や変更命令の規定

  3. 罰則の新設

  4. 建築完了時の届け出の義務化


等、相当な規制努力を重ねてこられただけに、確かに美しいところも多い。が、私が「この会議室から見えるあの焼酎の屋上の看板と、ホテルの広告は合法的ですか」と尋ねると「ハイ」というご返事。さぁて、はたしてどうだろう。

夜は大淀川地区重点景観形成地区のホテルに泊まったが、部屋からはホテルの浮き出た巨大ネオンが光っていた。まぁ、どこの都市も色々と事情もあるだろうから、仕方がない、か…。規制するまでは良いが、それをどう実行するか ─ 行政力の問題もある。神戸で、こうした事例をどう学び、どう生かしていくか。難しい事だ。


▲新型車両に緑のトンネル
研修を終えて、普通列車で国分まで。コトコト単線で2輌の列車に、運転手さんだけ。これがうれしかった、まるで緑のトンネルを、コト・コトと走る。止まる駅の名前は、田野—青井岳—山之口—餅原。豊かな緑が思い浮かぶ駅名が並ぶ。それらは無人駅で、運転手さんは、切符をもぎり、空いている席にお客さんを案内する人情味豊かで親切な方。この一時は、楽しかった。

ただ、緑の多い線にしては列車が近代化し過ぎていた。食事もできないし、飲料水も置いていないのが、ちょっとだけ、不満といえば不満。もう来る事もないかも知れない村を見ながら、もし、ここで一人住む事になったら、私は何をして暮らすんだろうかと思った。やはり、都会は良い。私は田舎には住めないと、はっきりと分かった。

村野委員長の計らいもあれこれ嬉しかった旅だが、税金で楽しんでいるように誤解されないよう念のため書いておくと、すべての議員が食事では自腹を切っているので、市民の皆さん、ご安心を。

では、この続きはまたの機会に…