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2013年 11月 22日 金曜日

私はペーパー無し。皆さんペーパーを読みながらの議論で、異質の質問者に映ったようだが、それでよし、としたのは…

関西広域連合議会臨時会だ。11月21日、大阪中之島での、いわゆる本会議。神戸からは、私が代表質問の機会を頂戴した。

本来、政令市の場合は、質問等は発言だけで、4分しか与えられていない。だが、答弁はいくら長くてもいい事になっている。今回は、私のデビューなので、前島議員が持ち分の4分を譲って下さって、8分。そこで、誰もが質問しやすい観光や環境とった課題ではなく、最も大切であろう事をズバリ切り込むべく、3点に絞った。

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ペーパーレスで議論

1つ目。「ワールドマスターズの認知度を上げる事」

不参加の大阪府、大阪市をただ乗り自治体として、批判するのではなく、8年かけて、説得をするスタンスを関西全体が持つ意思統一をする事。又、東京オリンピックと、パラリンピック・ワールドマスターズの三点セットで、東京から発信させる事。さらに、井戸連合長自ら競技者として出場する宣言をする事によって、関西全体の運動会にする事を、指摘。

「すべてその通りです」と、井戸連合長が答弁。

「私が出場できるのは何かと考えたら、綱引きかゲートボールかなと考えました」
と自らが参加の意思を表明され、笑いを誘っていた。

2つ目。「国家戦略特区における広域医療の取組みについて」

この件、15人の質疑者中、2人しか質疑していない。これは、国に対して特区の申請を、関西広域連合と兵庫県と神戸市の他、大阪府・大阪市・京都府・京都市からも同じように、iPS細胞を軸に医療を大きく進歩させ、世界に貢献する、となっている。

そこで、私は

「関西全域で力を合わせ、日本や世界貢献するのは、大切な事ではあるが、それぞれの都市で得意分野があり、よく進んでいる都市もある。その時は、より進んでいる都市がリーダーとなって、全体を引っ張って行く事が、結果的には効率もよく、貢献できるのではないか」
と、松井大阪府知事に質した。

この背後には、神戸が永きに渡って積み上げ、ポーアイII期では1800億円以上を投入、250社を集める日本一の医療クラスターで、iPSではすでに臨床まで行っている、という思いがある。

スーパーコンピューター京を持っている神戸市と同じレベルで論じるのではなく、大阪は別の特区 ─ 例えば、都市づくりプロジェクトや物流や人材育成等で出されているので、その分野で我々をリードして、関西全体の底上げをしてくれるのが良いのではないかと考えているので、その点を質したのだが、松井府知事は、

「神戸が250億を集めて、クラスターである事は分かっているが、我々もやっている」
との答弁。そこで私は、
「その事は分かっているが、府知事も、各都市の特色を持って、貢献すると発言されている限り、神戸の持つ特異性を尊重するべきである」
と再度議論を挑んだのだが、時間切れ。しかし、仮に時間切れでなくとも、松井府知事は、いつも原稿を読んでの答弁だ。果たして再質問をしても、その質問の的に当たってくるかどうか、疑問である。その点、橋下市長は、自分の言葉で答弁されて、質疑が生きている。次はもっと突っ込んだ議論をしたいと思っている。

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3つ目。「道州制における政令都市の関係について」

この件は、井戸連合長が表明している「関西広域連合は、道州制に移行するものでない」との理解に賛成である。しかし、将来、道州制ともいうべき制度の下に関西州ができるなら、政令都市はどのようにするのかについては、議論されていない。

現在、自民党と公明党の道州制を論じるプロジェクトでは、府県は統合し、消滅すると提案されている。これに対し、関西広域連合では、地方分権改革の推進の目的を見失うのではないか等の申し入れをしている。しかし、その申し入れの中にも、政令都市の位置づけは無い。鳥取県議も、私の前に行った発言の中で、政令市制度が問題であると指摘していたが、これは、政令市として看過できない。

そこで私は

「県の中でも政令都市以下の人口の県がある。しかも、政令市には独自で埋立て・福祉・都市計画等が出来る能力があり、歴史と実績もあり、その上、市民と最も密着した基礎自治体であり、国家のエンジンである。それを考えれば、政令都市の解体は考えられない議論である」
と強調。さらに、私見であり、神戸議会の意見ではないが、「政令市内の県会議員は、市会議員が兼任してもいいのではないか」と発言した。

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▲ 井戸連合長
これに対し、井戸連合長は
「確かに政令市の件についてはまだまだ議論をしていない。考えられるパターンとして4つある。…」
と説明した。この説明は長くなるのでここでは紹介しないが、私は、「今はまだ日本において、良い地方制度が確立されていない」とし、これから論議を深めて行く旨を強調して、質問を終えた。

それにしても、井戸連合長の答弁の数は多い。本当に御苦労様である。中味の濃い論戦ができると、確信。これからも、環境保護でペーパーレスではないが、この、ペーパーなしのスタイルで行こうと決めた。