すべて読み終えたとき「ウ〜ン…」と… 思わずため息が出た。当たっている所もあるし、当たっていない所もある。長老の議員として、反省するべき所もある。さて、どうしたものか。
一番気の毒なのは、各地から六甲アイランドに来て下さった区民の方々。市は、
「我々は間違った事をしていない。あくまで事業主と新しい入居者で話し合って解決して下さい」と、表現だけは丁寧だが、逃げの姿勢である。事業者は、
「我々は合法的にやっている。できるだけの事はする」─ これでは、新しい入居者は取り付くシマがない。ここは、何とかせねばなるまい。
▲当該地に建てられているマンション
平成18年7月頃、周辺の人々は反対に立ち上がり、集会が開かれ、私も他の議員と供に出席した。その集会では、代表の方々と知恵を出し合って、市議会に対し「地区計画の見直しを含む再検討をもって六甲アイランドを見直し、六甲アイランドを立派な人工島として再整備を図るよう、市は努力するように」という請願を出すことが決まり、これはその後、全会派一致で決議された。
こうした経緯から、六甲アイランドの人々はまちづくり協議会としてその作業に入り、議論を進めておられる。私は、誰よりも六甲アイランドを愛し、良く知っていると自負している。
それは、私が、六甲アイランドの場所がまだ海で絵に描いただけの案だった頃からの議員であり、六甲アイランドの性格付け ─ 例えば、宗教を持ち込むかどうかや、六甲ライナーの問題。向洋町という町名付け、駐車場、アオイア(プールや観覧車がある遊園地。1992年7月1日オープン。95年大震災後、セゾングループ契約不履行で遊休地化)、六甲アイランドの中を流れる小川の水を中水道にするか上水道にするか…等など、いろいろな議論に参加してきただけに、この問題についても強い関心を持ち、発言してきたと自負している。
主たる主張として当時していた私の発言は…
- 文化レクリエーション地区が住宅地に転用できる事は、議会人として知らされていなかったし、説明はなかった。住民も知らなかった
- 売却されるとき、文化レクリエーションを継続する会社に売るべきで、市には、そう指導する責務があるのではないか
- 当該地が文化レクリエーション地区として長く続くであろう事こそ、市として市民と交わした約束ではないか
といった内容であった。
市はそれぞれに対し、
- 10年以上の買い戻し契約が済んでいるから仕方がない
- そのように持ち主に要請したが、聞き入れてもらえなかった
- 未来永劫の約束ではない
と回答していた。
私自身反省するのは、参加した委員会で、当該地の日影規制のことについて自ら質疑しなかった事である。従って、文章の中にある当局が秘匿していた事に該当するのかどうかは、微妙である。もし私が聞いていたら、答えざるを得なかっただろう。当局は、積極的に言わなかった。議会に対して、十分な検討資料を出さなかった、と考えた方がいいかもしれない。
▲管理組合代表者の方々と
無策でこそないものの、同じ市民税を払って下さっている方々に対して、これで良いのか。また、事業者も、確実にそのような状況にあると知らしめて住居を販売されたのか、お聞きしたい所である。当然、事業者として土地を購入される時点で、法の網が一部かかっていない事は承知していたに違いない。
周辺の住民の方々と新住民の人々に気の毒と思うだけでは、済むまい。市が民・民の事として言い逃れるのは、許されるのか。これを合法的と言い張る事ができるのだろうか。世間の良識に聞きたいところである。
(以上、台中市議会・台北市議会訪問の旅路にあるため、書きためた原稿にてアップ)