私は、地方分権について議案外質問をいたすものであります。
このたび行われました第40回衆議院議員選挙において、38年間にわたる自民党政権は、細川連立政権へと移行したのであります。このことは、日本における戦後政治の大きな変革期であると言わざるを得ないのであります。
この変化の意味を考えるとき、敗戦の中から勤勉な国民とともに優秀な中央官僚機構による中央集権制度、それを助ける自民党と財界の3つの鉄のアングルがお互いに助け合いながらここまで来たこともまた事実であります。しかし、この時点において、国民は腐敗した部分の自民党を批判したと同時に、この鉄のアングルにもくさびを打ち込んだと思うのであります。
かつての発展途上国ならともかく、国民はここまで経済成長した日本のシステムとしては、政治がもっと近くで行われ、市民の願いがより身近なところで論議され、反映され、そして判断されることを望んでいると言えるのではないでしょうか。
私は、地方議会に身を置かせていただきながら、常にその思いをいたしておりました。今までの中央官僚は、実に立派な公僕として日本の復興をなし得たのであります。しかし、今は権力を伸ばし、ついには省省間の省益や行政範囲の縄張り争いのために目的を肥大化し、何か起こるたびに規制と行政範囲を拡大し、わずかな権力の削減も重大事ととらえるなど国民から遊離した官僚機構になっていきつつあると危惧するものであります。
例えばこれだけ地方分権が叫ばれる中でも、総務庁は国の許認可権を'92年3月末で1万942件、前年より225件も増加させたと発表いたしております。しかも、これは'88年以来増加させ続けているのであります。その上、官僚機構は、その権力を背景にして、多くの政治家を養成するまでに巨大化しているのであります。このことは、三権分立の大きな問題であると思うのであります。
なるほどこの現状を打破すべく、政府は臨時行政改革推進審議会いわゆる臨調を設置して、官僚機構の見直しを図るのであります。第一次答申、平成3年7月4日。第二次答申、平成3年12月12日。第三次答申、平成4年6月19日と、きめ細かい答申を出す一方、神戸市長をはじめ指定都市サイドもしきりと権限移譲等に関する要望を細かく各省に出しているのであります。
しかし、臨調は中央官僚の徹底的な抵抗と、族議員と呼ばれる官僚出身議員団に援護され、骨抜きとなり、指定都市の権限移譲等に対する要望はすべてゼロ回答が続いているのであります。このことについて市長の今後の進め方と所見をお伺いいたします。