地域の皆で越年準備
(12/19 神戸市東灘区)
私に「皆が喜んでやって下さるのが、本当に嬉しい」と語ってくださったのは、森財産区区長の志井一雄さん。毎年恒例、東灘区にある森稲荷神社の…しめなわ作りでのことだ。日曜日、12月17日の朝8時からで、私も参加した。

この神社では、新年に備えて鳥居や本殿・神輿蔵・拝殿など計14カ所に飾るしめ縄を、氏子の方々、特に若宮会(青年会)が中心となり、自分たちで藁(わら)から作って神社に飾られる。今どき藁から作るところが、神戸市内…いや、全国でもどれほどあるかと思う。そんな、立派な伝統技術の伝承が成されているのが、森稲荷神社だ。
その作業を指導されているのが、志井さん。淡河の農家と契約して、藁を購入。農家も、神社のしめ縄にするのだからと、大切に刈り取って保存してくださるという。
志井さんは、「昔は森に農家があったのだが」と笑う。志井さんはお父上の代から、森稲荷神社のしめ縄を作り続けておられる。当日は、神田英治名誉宮司も、皆と藁にまみれて藁の蓑(みの)を一本一本取っては、芯だけにされていた。最も根気と手間のかかる仕事を、自ら担っておられるのだ。

私も毎年、2時間程お手伝いするのだが、ここ数年、楽しく思うようになった。それは、毎年自分の腕が上がり、上手に藁のハカマを取って芯が出せるようになってきたのが分かるからだ。
今年は誰が思いつかれたのか、釘をうった立派なハカマ取りが登場して、随分早くなった。若い方々を束ねる宮本さんや上田さん、上垣さんも率先して、黙々と働く。ある方は2人5人で、芯だけになった藁を縄状に編んでいく。見事で、美しい集団である。

この神社では、若い宮司を皆で盛り上げているし、人々の敬神の心が深い。若い宮司も明るい良い方で、皆に溶け込んでおられ、そこで自然に技術の伝承が行われている。
私は少年野球や餅つきもあって11時に辞したが、皆さんは午後4時半まで続けられたそうだ。志井さんは、御年81才。まだまだお元気で、「今のうちに、教えておかないとね。今日も、他の神社から若い人が勉強に来て下さっている」と仰る、その笑顔がいかにも、清々しい。本当に地区を愛し神社を愛し、伝統を守っておられると、それが素直に伝わってくるのだった。
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