仕方がない、じゃないだろう
(06/06 神戸市東灘区)
私は先ず、公務員として真に誠実であったのか、それを問いただしたい。自分達の手抜きを、法のせいにしてはいないか、と。私はかつて…建築確認行為が市から民間に移る時、このようなことのないよう何回も条件をつけた。当局も、「お互いに連絡を取りながら、情報を確保します」と答弁していた。
だのに、またも問題が起こった。神戸市東灘区森北町2丁目に家族葬儀会館が建設されることになったが、誰にも、まったく知らされていなかったのだ。当然のごとく、近隣の住民の皆さんが怒り始め、反対で集まった署名は800人を超えた。代表の的場昭夫さん御夫妻が私に相談に来て下さったが、既に建築確認が出ており、現場では基礎の地ならしが始まっていた。

5月31日にはあった建築確認などの表示
私が神戸市へ問い合わせると、「高さ10m以内は住民説明不要で、当該建築物は9,959uです」という。当地区は第2種中高層住宅専用地区で、集会場はできることからか、建物は集会場として申請され、3階は専用住宅だという。
そこで私は、それは明らかに説明逃れであり、住宅も、お通夜用や葬儀用の待ち合い室、或いは集会場として利用されると思われるので、当局は法解釈を曲げて、業者寄りに忖度しているのではないかと指摘した。

TVで報じられた翌日に見ると、
道路占有許可以外は外されていた
的場さん他、多くの近隣住民も同じ思いだ。葬儀会館を否定しているのではなく、住民への手続きと、神戸市の不誠実なところに怒っている。事前に説明会があれば、その地に葬儀会館が本当に相応しいのかと、道理に沿って考えることもできる。集会場と申請されていても、集会場と括られるが必要なのかに加え、子供達の通学路でもあり、交通の危険性などの点等で、そもそも論が業者と住民の間で議論され、両者納得の上で進められたかも知れないではないか。
私は、建築確認はあくまで確認であって、許可ではないことも承知している。自ずと、確認行為には、環境の点で周辺への気配りなどは一切ない。まして、今回は京都の設計士と建築主事による建築確認申請なのだ。
そんな本件について、神戸市住宅都市局の建築指導担当局長の浜田有司氏へ陳情を行ったのが、6月1日。某テレビ局も同行して、住民とのやり取りを取材していたから、既に昨5日夕刻のニュースなど、御覧になった方もおありだろう。私が嫌だなぁと感じたのは、市が「住民は、葬儀会館だから反対している」という方向に持って行こうとし、自分達は法の中でやっているので合法的であると正当性を繰り返し、印象を操作したことだ。テレビ局も、放映では「葬儀場に反対」を強調し、建築確認申請にあたっての問題は副次的であるかのようにしてしまっていた。
建築を依頼された業者が気を回しすぎて、地元反対などが起きる前に既成事実を作ってしまえる手はずで、制限高よりも僅か4.1cm低いだけの集会場として申請したのではないか。それなのに市は、事前に話し合いの場は持たずとも良いとした。つまり、真摯に向き合う誠意が感じられるように事を運ぶように取り計らうどころか、逆に隔離する役をしてしまったと言えるのではないか。
さらに言うなら、第2種中高層住宅専用地区を真に住宅専用地区として確立させるべく、都市計画法に則った指定にあたってのビジョンを抱き、法を守らせるための行政指導はやっていたのか。公務員として真に、その任に誠実であったのだろうか。
ところで、市は、この件は今年2月には知っていたと答弁していたが、今回のこれに限らず、こんな不満が各地で続くのは、なぜなのか。
隣に何が建築されるか知らされず、自ら探り問い合わせるなどしてみたら葬儀場だったでは、怒るのが普通だろう。それを、「法の前では仕方がない」で済ませて良いはずがないではないかと、そう思っているのである。


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