Skip to main content.

2016年 01月 09日 土曜日

まさかマンションが建つとは、当時は誰も考えなかったと、その担当課長としみじみと語り合ったのは… 文化レクリエーション地区となっている、六甲アイランドウエスト地区のことだ。

今を去ること8年前の、平成20年。そこには、ワールドのラグビー練習場があった。地区の指定にについては、様々な書類に印刷されるなどしてきており、東灘区民と六甲アイランドの住民も、我々議会人もずっと、この指定の環境と信じていた。

ある日、そのラグビー練習場にマンションが建てられることになり、東京建物(株)が説明に入った。六甲アイランドじゅうが大騒ぎとなり、私のところへも訴えが続いたのだ。

ところが、調べて見るとこれが合法で、10年買い戻し条件がはずれている上に、文化レクリエーション区域中での一軒家の建築は制限されているが、マンションは含まれず、建築可能との事だった。

あれよこれよの内に、マンションが建ったが、今度は、新たにその東京建物(株)の建てたマンションの住民が、同じ会社の隣に建ったマンションの件でトラブルが勃発。大騒動に。これは裁判になり、議会へも陳情書が提出された。私はその時、どうか、「合法的だという割り切り方で切り抜けたのでは、市民に申し訳ない」と、そう思って欲しいと願った。

8年前のブログに、私は「周辺の住民の方々と新住民の人々に気の毒と思うだけでは、済むまい。市が民・民の事として言い逃れるのは、許されるのか。これを合法的と言い張る事ができるのだろうか」と書いている。

神戸市は、いかに合法的であっても、マンションを建てる方針ではないとして説得すべきであったし、それに失敗したならしたで、三者の間に入って苦労するべきなのに、あくまで民々で話し合って欲しいと逃げた。明らかに、神戸市がこのトラブルの原因者である。当時、議会の常任委員会では、この件を厳しく指摘した。

配布される印刷物
▲ 配布される印刷物
その結果、神戸市が調整役に動き出して、8年。松の内の1月6日に、その結果報告を頂いた。ウエスト5番と当該のブリリアレジデンス六甲アイランドの間に緩衝地区を設けて、良好な環境を保持するという。法的な手続きのため、全六甲アイランドの方々に通知するのだが、なんと、その通知の印刷物のことなどを報告に来て下さった課長は、この件で最も苦労された、勃発当時はヒラだった担当課長さんだった。私は、その印刷物を手に取りながら、多くを思った。

初めの大切な時に手を抜くと、こんな事になる。議会人も、文化レクリエイション地区を指定するに当たって、小さな事にも目を光らせる必要があった。当時まだ一兵卒として苦労して下さった今の課長と交わした握手は、実に苦労のしのばれる、意味深いものだった。