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2015年 10月 20日 火曜日

「確かに民間の同様の施設が成長し、魚腸骨(アラ)の買い上げ料金も上がっている。一方、市のミール工場に、そのアラも集まりにくい」 ─ そう、副市長が答弁したのは… 10月13日の総括質疑。我が会派の政調会長、橋本 健議員が、神戸市ポートアイランドにある魚腸骨再資源化施設への補助金について、市長に対し「これ以上の補助金は検討するべきであり、すでにこの魚腸骨再資源化施設(フィッシュミール工場)の役目は、市の施設としては終了してもいいのではないか」と、質したのだ。

これに対して岡口副市長は、「補助金について、協同組合と話し合いに入りたい」として、冒頭のように答弁したのである。この、両者の質疑の間、私は、一言一言を身に染みて感じていた。

実は、この施設が建設された経過を私は、良く知っている。このフィッシュミール工場は、神戸市中央市場をはじめ、神戸市内の魚屋などから出る魚のアラを再資源化して、肥料やペットのエサ、魚釣りのエサ等に加工するもので、材料の魚アラに水分が多く、カロリーも高いので、環境局の持つ焼却炉では燃やせないからと建設されたのだった。

かつて、昭和50年頃には西区にあったのだが、悪臭が凄いために住民から苦情があり、施設は閉鎖に。昭和55年から、明石のフィッシュミール工場に処理をお願いする事になったのだが、この時市は、組合に対して負担金を支払っていた。しかし、明石議会で「何故、神戸のアラを明石で処理して、公害だけ明石市民が受けるのか」と問題になって、受け入れは中止された。

魚アラ収集業者から私への陳情があったのはこの時点で、そこから私も関わっていったのだが、いろいろな議員を経て私に来ただけに、事はとても入り組んでいた。

西区で施設を締め出した吉本議員に、状況を聞いた。明石市の局長にも会って、受入れをお願いしたが駄目だった。明石の市会議員に聞くと「負担金?」と首をかしげた。当然、その間もアラは出る。収集業者が走り廻って、ようやく岸和田で受入れていただけるようになったのが、平成5年だった。神戸市も一緒になってお願いしての、一時しのぎだった。ここには記さないが、それはもうあまりにも複雑で、危い事も感じられたほどだった。

そこで私は、当時の笹山市長と、「もう一度神戸市で施設を持って、逆に近隣の町の魚アラも引き受けよう」と相談した。市長も、その方向に動いて行った。そこに阪神淡路大震災が起こった上に、とある件があって、市はますますその方向に向かって行った。

笹山市長は、冷凍方式の施設にするよう指導した。ところが、この種の施設であまり経験のない建設会社が落札した。そうした施設は川重が多くを手掛けて来ていて、技術者が「あの方式は、まだ技術が完成していない。仕事が欲しいのではなく、一技術者の一人の良心として、危うく思う」と話してくれた。結果、西区と同じく悪臭で近隣から苦情が続出した上に、管理上のミスで二人の死亡者も出た。

市は平成19年、処理方法を改善せざるを得なかった。そして今回、補助金の見直しを含めて、施設の存続を議論するに至ったのだ。自ずと、しっかりとした話し合いが望まれる。今までの補助金だけで計約30億円にもなっており、補助金なしではまるで成り立っていない。断固、何らかの策を講じるべきである。
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