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2015年 09月 04日 金曜日

その日、私は悔しくて悔しくて、涙が出てしまった。かつて、ポートピア'81の頃は、神戸は輝いていたというのに…。それは… 産業港湾委員会の行政調査でのこと。私の担当で、8月31日から9月2日まで出張していた、その行き先は、長崎と福岡。

長崎では、地場産業を活かした町おこしで成功した、長崎のおおむら夢ファーム「シュシュ」を視察した。これには時間も取って、現地で買い物もしたが、近隣の農家の方々が無農薬で育てた農産物をいろいろ工夫して売っておられるという、まぁ大して学ぶ事も無い、道の駅を拡大したようなものだった。

長崎市役所では、長崎市の商店街活性化の取り組みについて説明をうかがった。商店街をつないで売り出す取り組みで、効果はこれから。空き店舗が増えた訳ではないが、地の利で、中国の爆買いの方が来て下さっているようで、これも、「ああ、そうですか」程度。神戸市に調査に来る議員の方々への対応とは、少し違っていた。私の質問への答えが回りくどいもので、要領を得なかったのは、私の聞き方が悪かったのだろうか。

だが、福岡市のクルーズセンターの誘致策と対応には、学ぶ事が多すぎた。神戸市の完敗である。勿論、これにも地の利はある。中国と台湾、韓国に最も近く、日本海の時代にあって、日本の玄関となっているのだ。福岡市は「神戸市から学んだ」と持ち上げてくれるけれど、勝負はついた。

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福岡は、平均1,500人を乗せた豪華客船が今年、すでに300隻は入っている。このままだと365日、毎日入港するという。私達の目前にも、ビルのような客船が2隻入っていた。調査に行ったクルーズセンターには約200人の人が座っていて、iPhoneをいじっている。聞くと無料で、無料公衆無線LANサービス「Fukuoka City Wi-Fi」を、来街者の利便性向上等を目的として、待合棟内部で提供しているという。アクセスポイント数は、国内最大級。これからもいろいろな所へ広めて、おもてなしの武器にするそうだ。

比べて神戸市は、今年になってわずか61隻。しかも、スカイシー・ゴールデン・エラ1,814人とクァンタム・オブ・ザ・シーズ4,180人の二隻は、台風で予定通り神戸港に入らず、韓国に移ってしまった。私は、せめて日本のどこかに行けばいいのに、協力できないのかと思うのだが、これも難しいらしい。

同日、福岡ではコンベンションの調査をしたが、これも完敗だった。毎日コンベンションが開かれていて、福岡国際会議場・マリンメッセ福岡・福岡国際センターの施設群には、最大2万人が集える。しかも、町中の商店街のアーケード下でもやるというように、町中でおもてなしを展開している。

クルーズ誘致然り、コンベンション誘致然り。大変有利な場所に加えて、組織間が連携してプロジェクトを組み、研究を重ねられて、他都市より先手を打っておられる。

方や神戸は、大阪・京都・奈良と結んでアジアにもと頑張ってはいる。米国やヨーロッパ、アフリカ等なら、十分に勝てる。今は、かつて福岡がやったように、地道に起爆剤を各国に仕掛けて行くことだ。

それにつけても…「5年先、10年先で勝負をしよう」と仲間の議員と語ったのだが、新人の議員には、それは分かってはいなかったようだ。それはつまり、キミらの時代のことなんだが…。