Skip to main content.

2015年 07月 10日 金曜日

人間に相性があるように、犬にも猫にも、相性がある。合えば親友や夫婦だけど、合わなければ… 仕方がない。生き物とは、そぉいうもんだ。皆さんご存じのように、我が家には1年前まで、ピョンとチーちゃんの、二匹の猫がいた。とっても仲が良くて、私の両脇で毎晩寝ていた。

ピョンはおっとりした大人で、チーちゃんはやんちゃなチャッキリ娘。いつもピョンよりいい席を取り、いい物を食べる。それを、ピョンは男らしく見守っていた。そんなピョンが1年前に他界してからというもの、チーちゃんは、一匹でいた。もう一匹、友達をつくった方が良いのかなぁ、と思っていたところ、1年経ったからと、足立さんが家から、可愛いネネちゃんというお嬢さんを連れて来てくれて、お見合いの運びとなった。

写真
二匹がうまく行くかどうか、足立さんが心配しながら、猫バッグからネネちゃんを出すと、普段怖がりのネネちゃんが堂々としていて、チーちゃんの方に向かって行った、その途端、チーちゃんがギャオーと怒り出し、ネネちゃんを追いかけた。それでも、慣れるだろうかと思って、ネネちゃんをネコバッグの中に入れたまま、ベッドで寝かせた。

それで怒ったのが、チーちゃん。ついに私にも怒り出すと、部屋からベランダに出て、異様な声でウーンーと唸り続けた。他室の人たちまでが心配する有様。私に本当に怒っていて、ベランダに行って声を掛けようが、手を差し伸べようが、ウーンーと唸って抱かせてくれないどころか、噛みついて来る。

こんなチーちゃんを見たのは、初めて。手を差し出せば、猫パンチを繰り出してくる。だが、私はこの時ハッと気が付いた。猫パンチはしても、爪は立ててなくて、当たるのは肉球だった。そぉか、チーちゃんは本気じゃあ怒っていないのか…。嫉妬した自分を、私に訴えている。私は途端に、チーちゃんが好きになった。可愛いヤツだ。「ゴメン、ゴメン。もう二度としないから…」と言って、このご縁は破談になった。

それでも、夜中に気になって、ベランダで寝ているのかと様子を見ると、ちゃっかり室内のテーブルの下で寝ている。私がニタリとすると、バツが悪そうに又、ベランダへ向かう。私が「もういい、分かった。悪かったよ」と言っても、日本語…人間語が分かろうはずも、ない。

この一件があったのは、7月6日の夜。明けて7日の朝昼には私の膝で寝ていたけれど、夜は、ベッドに来なかった。こんな時、どうすればいいのだろう…。猫は、怖い。いっそ、布団を捨てて出直すか ─ そんな事まで考えていた。

ところが7月8日の朝、ベランダから寄って来たチーちゃんを抱きかかえると、抵抗してフゥー・フゥーと訴えはしたけれど、ベッドへ強引に連れて行って、顔・耳・首とマッサージすると、黙ってゴロゴロと喜んで、私の腕に入ってきた。これで一旦、この件は決着したようだ。やれ、やれ…。

聞けば、犬や猫同士は、基本的には喧嘩しないようにするものだという。体力を無駄にせず、自然の中では命にも関わりかねない怪我を、わざわざ進んで負うようなリスクは冒さないらしいのだ。それでも、テリトリー争いや伴侶の取り合いなどになれば、とっくみあいくらいはするという。足立さんは「次はオスで行こう」と言うが、あのヤンチャ娘とうまく行くかどうか、本当に心配している。