今回は私も、橋下市長と都市論で議論すべく、一般質問に立った。真正面から
「今年5月17日に大阪で実施された住民投票で、大阪都市構想は否決されたが、この結果、現行の府県と大都市制度はこのままで良いのか? という問題提起となったという点で、一つの成果であった。私は、25年前に『地方分権における私的提案』という論文を発表した。その論文の中で『道州制』や市のあり方について提案し、地方分権型社会の実現が国民にとって重要であると述べている」と、一定の評価をしたのだが、井戸連合長は、「現在の関西広域連合が、道州制への移動ではない」と強調した上で、
「道州制の研究は必要である。その中でも4つのパターンがある。その一つである広域行政連合がいいと思っている」と述べた。
これには、私も同感。そこで
「その広域行政連合を、関西州と表する。その上で、もっと研究を深めて一つの絵を出せばいいのではないか。例えば、ここにおられる府県会議員が関西州議員になるとか、政令都市は大都市制度を目指すとか…」と提案した。が、井戸連合長はバッサリ
「研究はするが、絵は出しません」と答弁した。
実は私は、背後にいる政令都市議員の意識の共有化を考えて質問したのであり、そう答えられる事は織り込み済みだから、その答弁で十分だった。次に、橋下市長に対して
「市長は政令都市の解体を述べられたが、政令都市は国家のエンジン部分であり、その力を伸ばし、大都市制度を確立する事が必要であって、市長のようなリーダーシップのある人がその事の為に立ち上がって下さるなら、私は自民党を出てでも微力を捧げるのだが」と迫った。
橋下市長は、私の顔を見据えて
「議員と一度、ゆっくり地方議会について議論したいが、もうそれも出来ない。まして、知事や市長をなくして行くのは大変な事である。政治家は、未来の為のしかばねになるものだ。安井議員がやって下さい」と返された。
「その通りだが、誰かがやらねば国は良くならない」として、私は質疑を終えた。昨6日、関西維新の会設立かと報じられていた同氏だが、まだ議論の機会はあるのだろうか…。橋下氏との都市論での議論は、今回は残念ながらその入り口で閉ざされてしまったのだった。