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2015年 06月 05日 金曜日

政治の尺度には、社会的弱者を守っているかどうかを計る器量も要る ─ そう訴えたのは… 神戸市立住吉中学校グランドで5月24日に行われた、神戸市重度心身障害児(者)父母の会と神戸市立住吉中学校野球部OB会が協同で催された運動会だ。

この運動会、事の始まりは、39年前に遡る。OB会の上田さん、小林さん、本田さんらが私のところにお出でになり、「OB会で何か、良い事をしたい。何かないか?」と相談された。私はすかさず、「重度障害者のお子さんを一日お世話したら、障害者の父母も一日楽になるし、子供は喜ぶ」と、子守りをすすめたのだ。

OB達は、重度障害者の子供を自分の自家用車に乗せて、小野の共進牧場に行き、遊びのお世話をした。帰りはクタクタで、もう二度と…と仰っていたのだが、次の日には、「来年もやろう」という声が上がった。それが、運動会に変化して、続いたことなんと36回。

OBの皆さんは、他の人々より少し優しく、少し涙もろく、少し負けん気のあるいい若者だった。36年の間、多くの野球部員の教育に役立った住吉中学校の山田孝雄先生をはじめとする職員の皆さんが、そして地域が、何よりもOB会の家族が集まって、当日のカレー、焼きそば、たい焼きをつくった。ある人は、特技を発揮して似顔絵コーナーを開くなど、いつしか、地域をあげての行事になった。

私は、挨拶の中で言った…「一日に一回でいいから、私達の仲間で、自分が望まないのに重度障害で生まれた仲間がいる事を、思い出して欲しい。あるお母さんが私に『私が病気になって倒れたら、私はこの子供を殺して自殺します』と訴えられた、あの目を忘れない。私は議員として、社会的弱者に信頼されない情けない福祉政策をとっている事に、責任を感じた。私は、すべての議員に、『福祉に、与党も野党も無い。党利党略を離れて、福祉を進める事こそ議員の役目だ』と言っています」と。

これが、古い議員の役目であると心得ている。そうしなくては、こんなところまで来て自分の名前を売り込む議員がいるからだ。私は、もっと福祉の重さを感じて欲しいのである。
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▲ 神戸市重度障害者父母の会の武田会長と