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2015年 03月 06日 金曜日

市は、「それは大阪と神戸の経済力の差」によるものだと弁明する。それも確かに、あるだろう。しかし… 本当に、それだけの理由なのだろうか?

現在、六甲アイランドに幼稚園と小学校があり、立派にその役割を担っておられる神戸ドイツ学院のレープヘルツ ゲルハルト学院長が、友人の朝鮮人学校長の金さんのご紹介で、市議会にいた私をお訪ね下さったのは、3日。生徒児童数が増えたので、中学部を建てる土地を神戸市から借りたいというご相談だった。

折角おいで下さったので、安達議長を表敬訪問。偶然、かつて灘区にあったドイツ学院を六甲アイランドに移転する際、そのお手伝いを安達議長がなされたとの事で、意気投合。本題は私の方で引き取り、当局を交え、和やかに現状をうかがった。
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お話しによると、ドイツ学院は子供の数が増加している上に、将来各地から入院希望者があるそうだ。

私は、力強く訴えて下さったレープヘルツ ゲルハルト学院長の姿勢が、嬉しかった。それは、神戸の将来にとって、外国人学校が成長するのは大切な事だと思っているからだ。

医療産業都市として神戸が世界にうって出るには、長期療養したり、研究やビジネスに携わる外国人にとっての、教育機関の充実が欠かせない。

かつて、私と平野昌司議員等でアメリカに出向き、GEメディカル社のメルチン社長に神戸への進出をお願いした時に要求されたのが、外国人学校の整備だった。さらに、神戸らしさを保つ上においても、神戸が外国人にとって最も住みやすい都市である事が、その発展につながると思っているからだ。

ところが、学院長を始め、イスキエルド・ネルソンさんやホワイト・宏子さん等が、神戸市のみなと総局に、もう少し借地したい意を市役所に足を運んで申し入れたのだが、イエスともノーとも返事をせず、「現在、六甲アイランド全体の活性化について内部で検討しているので、いつ答えを出せるか分かりません」という、いかにも日本の役所の答えだったという。これでは、答えになっていない。

あの時、GEの要求は大変具体的だった。勿論、困難な事も多くあったが、笹山市長は「考えておく」「検討します」で、返答しなかった。その結果、GEは神戸には来ず、他国に行ったのだ。まず交渉に入って行くのが大切なのに、訳の分からない理由で返答しないのは、不親切に通じるというものだ。

同席したみなと総局の部長も、直接の担当ではなく、越権発言は出来ないので、言明できず気の毒ではあったが、この件について内部でどのように論じられているか、少しは分かっているのだから、「来週中に説明に行きます」といった返答をして上げるべきだった。総領事が3月18日に学院に来る予定があり、ついてはお金の用意もあるし、理事会への報告もあるという学院長の立場を考えれば、あまりにもお気の毒ではないか。

かつて、神戸にいる外国人が、神戸市のあまりの対応のスローさに怒った。私は何回か注意をしたが、市の役人は聞いてくれなかった。これが他国なら彼らも諦めたが、進んだ日本で、だ。隣の大阪市は敏感に反応し、その結果、神戸の領事館はすべて大阪に移ってしまった。

今日のように、当たり前の訴えに返答が出来ないようではいけない。六甲アイランドから芦屋や西宮に移転されたりしないうちに、丁寧に対応してさし上げる必要がある。私は、ドイツ学院の為に微力を尽くしたいと思った。
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