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2015年 02月 27日 金曜日

今期最後の予算委員会が今、開かれている。今期4年間を振り返っての最大の思い出は、議長を務めた事と… 神戸市議会基本条例の制定だ。

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▲ 議長当時 議会場にて
二元代表制を採用している地方議会として、相互に独立・対等である事が、お互いに立場を尊重し、その役割を果たすのにつながっている。それは当り前の事で、それまでもそうして来ているのだが、法的に独立や対等に認められたものではなかったのだ。

議会としては市民の多様な意見を把握し、市政に反映し得る会議体であらねばならないが、現在そのようになっているのかは自問せねばならず、その為に、議会のあり方から始める必要があった。
同時に、何故基本条例を制定せねばならないのか、その認識の議員全体での共有から始めなければならなかった。

一人一人の議員を説得する時間もないので、とにかく走りながら、それぞれ能力のある議員だから、自分で理解していってもらう事にして、検討委員会を結成し、私自身が委員長に就いて出発した。幸いにして私は、学生時代から学連の委員長をしていたので、討論のまとめ方は把握していた。空港問題の委員長をした平野昌司議員も、私の先の学連の委員長であり、彼の手腕を良く見ていたのも役に立った。

しかし、私の委員会は走り出したものの、この条例は当局と対峙する意味で、議会側が、市民に対してどう役割を果たすかの議会側の条例であるという基本が理解できず、与野党の対立軸で捉えたり、各会派の党利党略で判断する議員が多くいた。

私は「しまった、走りながら理解してもらうというのは、私の甘さと思い上がりだったか」と、心配した。しかし、市会事務局の人々が、そんな私の欠点を補ってくれ、私にかわって主旨を説明してまわって下さった。又、意外であったが、野党のあわはら議員が、委員会の内外で各議員を説得してくれた。以来、彼とは立場を越えて、仲良くしている。

特によかった事は、
  • ① 本会議や委員会をインターネット中継することで、議会の様子を映像として身近に見てもらうことが可能になった。これによって、市民との距離が近くなった。
  • ② 市会活性化のため、通年議会も視野に入れて2会期制とし、殆どを会期とする事によって、議会がいつでも開会できる柔軟性を備え、常時会期中という緊張で、議員の自意識が向上した。
  • ③ 当局への質問を一問一答制にする事によって、質問に迫力が増し、議員にとっても、より多くの学習が必要となった。
  • ④ 一般質問(個人質問)を導入した。会派に縛られず、各議員の思いで質問できる事によって、議員の専門性が出て来た。
  • ⑤ 今問題になっている政務活動費だが、その中から海外での視察調査が出来るようになり、この件について、内部規制を厳しくした。1回で使う必要を100万円以内とする等、絶対に観光旅行にしないよう、工夫した。お陰で、厳しく守られているし、それなりの成果を上げている。
他にも、沢山の改革を、みんなで決めた。それだけに、議会基本条例には多くの思い入れがある。

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▲ 議長当時 議会場にて
中でも絶対に忘れられないのは、梅村事務局長が「安井議長は頑張り屋さんだから、我々も頑張ります」と言って、当時の露本調査課長など、多くの職員の方が徹夜に近い作業をして下さったことだ。本当に、議会にとってたくましく、いい仲間がいる。以来、私は完全に市会事務局長の調教にはまっている。それで良いではないか。議員は、調教されて大きくなって、市民の役に立つ議員に成長する。それが逆に、事務局を味方にして強くなって行くのにもつながるのだから、大切な事だ。

今の委員会が終了すると、いよいよ選挙である。4年間を振り返って今、私は、思い残すことはない。だが、やり残した仕事はある。その為に再度、老骨に鞭打って、若い人々と楽しく戦う。皆さん、どうか見守ってほしい。