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2015年 02月 17日 火曜日

最後にエレベーターの中で皆が「また来年来ようね」と言っていた、良いコンサート ─ それは、防災防火の意識を高めて行こうと例年催されている… 東灘 de きらめきコンサート2015。神戸市きらめきコンサート実行委員会が主催し、神戸市消防音楽隊の皆様がコンサートを開いて下さる。今年も、東灘区民センターうはらホールで、2月13日18時30分から催された。

特に今年は震災20年目とあって、東灘区連合婦人会合唱部「コールうはら」の皆様もご出演。大掛かりなコンサート2015となっていた。

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私はボランティアの足立と、1時間前に着席。婦人会のコーラスを聞きたかったし、音楽隊の力量を知りたかったからだ。進行役の司会は東灘署の課長さん。要点だけ語っていて、プロまがいの洒落た、とってつけた言葉より聞きやすくて、これも良かった。婦人会の合唱は、みんな忙しい中、練習されたのが良く分かった。どなたもがニコニコと楽しんでおられ、聴く方も楽しかった。音楽隊は良くやっておられ、知っている楽曲を織り交ぜた演奏は、音楽オンチの私でも一層楽しめた。

実行委員長である岡田 勇消防局長の挨拶も、良かった。「震災の記憶を風化させないために、いろいろな行事や事業を継承したい。それが、予想される南海トラフ巨大地震への備えにつながる」と語り、「その為のコンサートです」と、目的を明確にして下さった。身近な火事や事故、災害にも触れて、私達に「市民の安全と命と財産を守ります」と力説された時には、頼もしさに誰もが拍手。

唯一、「今年度は、焼死者が9人で、昨年は8人でした」と言う話が、残念。焼死者が出るのは仕方のない事だけれど、私は、本来それは消防力の失敗だと、そこは謙虚になって、責任の一端を感じるぐらいの気概が欲しかったのだ。

帰りがけ、岡田局長に「良い挨拶だったが、9人の焼死者の内、障害者は何人、高齢者は何人でしたか」と尋ねると「それは…」。人前でお話しになるのなら、それぐらいは調べておかれては如何だろうか。まぁ、そこはプロ同志の会話だから、良いのだけれど。

総じて、なかなか良かったと思えた、楽しんだコンサートだった。暗く辛い思い出、あの経験をストレートに示すような催しばかりが、震災の記憶を風化させないためのそれではないのだ。
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