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2014年 12月 26日 金曜日

きっと、少年野球に帰ってきてくれる。そう信じて空を見上げた… 東灘小学校少年野球卒部式。毎年この時期になると、少年野球の卒部式が各ゲームで行われる。私は、できるだけ出席して、6年生の卒部を心からお祝い申し上げてきた。

かれこれ38年にもなるが、この間、何人の少年が巣立っただろう … たぶん、何千人。嬉しい事だ。

今回も参加列席して、校庭に並ぶ8人の卒部者と、取り囲んだ在校生や保護者の皆さんに、卒部のお祝いを申し上げた。実は、38年間ずっと、この場では同じ事を言い続けている。

  1. コーチや監督の皆さんが、学校教育や家庭教育でできない教育を、大切な時間を割いて、無報酬で担って下さっている、そうした方々に、感謝。中には、30年以上も続けてこられた方もおられる。

  2. 保護者の方へは、自分の子供だけを顕微鏡で見るのではなく、広く皆を大きな双眼鏡で見て下さったと、お礼。

  3. 卒部者が大人になっても、金持ちや高い地位の人が偉いと思う価値観を持たないで下さい。人間の価値は、自分以外の人々を愛し、自分以外の命を大切にする人格なのです。それは、学歴とか家柄やかっこいい姿、形とは関係のない事です。

  4. もし、大人になって時間の余裕ができれば、また少年野球に帰ってきて、次の子供達を育てて下さい。


そして、「以上の4つが、安井のおじさんのお願いなのです」と締めくくる。特にこの東灘小学校は、他の学校と違って校長や教頭、担任の先生がたも出席される。子供達には、良い思い出になるだろう。

嬉しい事に、もうすでに何人か、少年野球のコーチとして戻ってきてくださっている方がおられる。実に、ありがたい事である。

卒部の少年の一人が、思いがけず私に「安井のおじさん、ありがとう」と言ってくれた。思わず「ありがとう。また会いたいね」と返事をすると「生きている?」と聞かれた。そうだ。彼が社会人になっている頃、私はもう、この世にはいないかもしれない。

だが、それでいい。きっと彼も、他の子も、帰ってきてくれるだろう ─ そう信じながら、夕空を見上げたのだった。
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