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2014年 12月 23日 火曜日

市民を守る為に、搬入業者の監視は勿論、フェニックス自ら総点検し、再発防止を図って欲しいと思っているのが… 例の、基準を超えるダイオキシン類を含む廃棄物が搬入された件である。

12月19日に神戸市環境局から、この件について「ダイオキシン類基準超過廃棄物搬入事案に係る、大阪湾フェニックスセンターの再発防止の取り組み及び搬入再開について」という、長い題のついた文書を、ファクスで頂戴した。これは、私が連続して、近接する市民の代弁者として訴え続けているのにご配慮いただいたものと思い、感謝している。だが、私は、内容には不満である。

高島市の基準越え搬入事件以後、4社について、同様の嫌疑が発覚した。そのうち、神戸に関連するフェニックスでは、1社だった。頂いた報告書は概要版だったので詳しくは分からないが、
① 分析検査
② 抜取検査
③ 立入調査
の三つの検査によって判明したらしい。そこで、これら4社のフェニックスへの今後の搬入を認め、また、今後のフェニックスの安全と継続を図るために、フェニックス側は、4人の先生方で構成された「廃棄物受入に関する検討委員会」を立ち上げたというのである。

藤田正憲大阪大学名誉教授を委員長に、以下、新澤秀則兵庫県立大学教授、高岡昌輝京都大学大学院教授、黒坂則子同志社大学准教授の4先生。先生方から頂戴したという今後の事についての提言は、「大阪湾フェニックス事業の目的やこれまでの経緯及び現状での課題を踏まえ、関係者が教諭すべき「基本姿勢」、「基準超過を防止するための対応」、「基準超過判明時の対応」の3つの視点からとりまとめたものらしい。

基本姿勢としては、「関係者が相互チェックの強化を共有する」となっている。その概要は
  • センターでは、搬入される廃棄物が受入基準に適合していることを確保するため、これまで排出事業者による化学分析を求める契約時の事前審査や搬入施設(基地)での抜き取りによる化学分析検査を行ってきた。
  • しかしながら、センターによる抜取検査には限界があり、廃棄物の処理は、排出事業者が適切に検査、点検を実施し基準(法令)遵守することが基本であることから、排出事業者が基準超過を防ぐ検査体制の強化が必要である。
といったところ。

だが、これらはすべて、搬入事業者に対する義務であるとか、自己管理を求めたもので、フェニックスの落度についてはふれていない。さらには、改善した事の報告がほとんどなされていない。これでは、明らかに不十分である。

例えば、事件が発覚するまでは、抜き取り検査を年X回くらいやっていたのだが、これからは10倍に増やします、といったように、検査方法の再点検であるとか、罰則の見直しであるとか、今回のフェニックス側の見直すべきところはどこかというように、人事面も含め、むしろフェニックス側について指摘するべきところもあるだろうに、それに乏しいのが気になるのだ。

神戸市の環境局長は、神戸市民を代弁して滋賀県に対してはっきり言わないほど、遠慮されている。だから、フェニックスに対しても、あれこれ言うのは難しいのかもしれない。とはいえ、この辺の関係は不透明なので、私の的が外れているかも知れないが…。

それにしたところで、せめて、4人の学者先生らが、何を専攻されておられるかくらいは、明記して欲しいものだ。事の重大さをとくとご認識いただきたいと、そう感じたのだった。