Skip to main content.

2009年 07月 14日 火曜日

旅はベトナムに移り、かつて、ベトちゃん・ドクちゃんが入院していた「ツーズー病院」を訪ねた。私はこれで5回目… の訪問。来る度に清潔になったと感じる。

▲ドクさんが迎えてくださった。
皆さんご存じの通り、1988年10月に日本赤十字社の支援でベトナム人医師70人日本人医師4人の医師団による大手術で二人は文字通り二人になった。この手術の後、ドクさんには日本から義足が提供されたのだった。

28歳になったドクさんは、私達を温かく迎えてくれた。彼は、働いている病院を「平和の地」と名付け、懸命に「枯れ葉剤」の罪を訴え、「ツーズー病院」の充実を願って活動している。我々の仲間が、「アメリカをどう思うか?」と尋ねた。彼は、「アメリカ人が悪いのではなく、アメリカ政府が悪いのだ。だが、アメリカはその後、我が国に援助してくれている」と答えた。が、私が「この病院には、どうか?」と聞くと、彼は口をつぐんだ。

部屋には、リンドン・ベインズ・ジョンソン 36代 元アメリカ大統領からの5万ドルの寄付を記したプレートがあった。日本の、歌手の加藤登紀子さんの名前もあった。私は、日本というより、日本人個人の援助がある事に、誇りを感じた。


▲ドクさんの主治医を交えて
そこに、美しい女医さんが来て、会話に加わった。彼女は滋賀大学で3年間医学を学んだそうで、日本語が本当に上手だった。今は、ドクさんの主治医だそうだ。私が「神戸の印象は?」と聞くと「ちょうど震災の時に神戸にいた。恐かっただけ…」という答え。無理もない。あれは、誰しもが恐かった…

▲ドクさんの主治医さんと

彼女の案内で「枯れ葉剤」が犯した罪を示した展示を見せてもらった。これを見るのは4回目だが、同行したある方は「もう気の毒で、見ていられない…」と言い残して、バスに戻った。他の同行した方々にも、言葉は無く、涙ぐむ方もおられた。

 

「枯れ葉剤が犯した罪」の部屋の展示物

── 敢えて多くを語るまでもない。我々日本人は、はたして「ベトナム戦争」の部外者なのか。この戦争で、しこたま儲けたではないか。心が痛い…。

 

それでも、ちょっとだけ救われるのは、たくさんの日本人がこの病院を援助している事だ。私も、続けていきたいと思っている。

 

ベトナム ホーチミン市 コンチネンタルホテル 114号室にて 現地時間21:00 記