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2014年 10月 24日 金曜日

人類は常に、思い上がって自然を軽視してきた。近代では、高いビルを建て続け、海や山といった自然を破壊した。だが、人類以外の生き物は、きっと抵抗力をつける。その最たるものは… ウイルスだ。他でもない、エボラ出血熱について私は大変心配し、感心を持っている。

はじめてアフリカのシエラレオネで発生したという小さなニュースを見たときに、何か胸騒ぎがした。世界中で最も不衛生な国の一つだから、広がって行くと思った。だが、まさか今日のように感染者1万人・死亡者4,877人にもなるパンデミックの恐れに至るとは、思ってもいなかった。

だが私は、このエボラ出血熱が神戸に上陸するのを心配しているのではない。港町神戸は、常にウイルスに対する備えが日本一でなくてはならないと考えている。これは、今、急に思いついたことではなく、十年来、委員会で幾度も訴えてきている。

例えば、平成16年12月8日の決算特別委員会における危機管理室の審議。「仮に、新型のウイルスが神戸に上陸して3,000人の患者が発生した時、どこに収容し、どのような処置をするのか」と質している。答弁は「中央市民病院を中心に、ウイルスも除去できる装置の病院と連携して行うが、それ位大規模になると、大阪府下、あるいは岡山、京都等と連携して収容する」だった。私はそれに対して、「それでは無理で、例えば、どこかの市役所を空にして、隔離しなければならない。この為の市民の理解が必要だ」と主張した。

この件については、同じような議論を何回か繰り返したのだが、その経緯の中、私は、とある信頼できる熱帯医学者と連絡を取った。まったく知らない方だったが、ある会合でお会いして意気投合し、彼から多くを学んだ。まず、知識を持った人材の確保と育成。次に、ある程度人格に対する配慮を持った法整備や、収容、隔離できる広間の確保 ─ 等々、いろいろな面での危機管理が必要だと教えられたのだ。

例えば、個人用防護具の備え。この問題は、新型インフルエンザの時も議論があったが、なにしろ数がたりない。それでも、神戸市は三木局長のご努力で、今回は新たに80着を用意して下さったと言うから、いい局長ではないか。

本当に100年に一回か二回くらいの事かも知れない、今回のエボラ出血熱。しかし、神戸には、日本一ウイルスに強い街であってほしいから、ぜひ備えていて欲しいのだ。

─ かくて、人類との戦いが始まる…… せめて、私の生きているうちには、パンデミックというような事が無いように、祈っている。備えは、無駄になったほうが良いのである。