この広島県の土砂崩れが起きていた時、私は福島県に出張中だった。ニュースを見た時に先ず私の頭をよぎったのは、神戸市東灘区の、渦が森台・住吉台・甲南台・本山荘園・ヘルマンハイツ等、山裾に暮らす方々。その、お一人おひとりのお顔が、次々と瞼に浮かんだ。
電話をしようとも思ったが、止めた。いたずらに不安をかき立てても、結果は同じ事だ。次に、神戸市はすぐに広島県へ援助に行っただろうかと、気になった。今度は、すぐに市へ電話を入れた。「水道局等、必要な部局が向かっている」との返事で、一安心した。
神戸に戻った22日には、危機管理室長と話し合った。広島の件で、東灘区を始め、神戸市中の山裾に住む市民は不安を抱いている。六甲山は広島県と同じように花こう岩で、真砂土。盛土地の上に、地形もよく似ている。そこから抱かれる不安に応えるべく、手を打たねばならないと語り合った。
室長も同感で、
「基本的には、今年6月に発表した『くらしの防災ガイド』で示していますが、加えて、9月中旬に防災有識者会議を創設し、対策をもう一度精査の上、市民に向け、方針を示して行きます」という。私は、
「特に、危機が迫った時や、危機が予想される時の、情報の伝達方法、及び、安全な場所への誘導の徹底。更に、国の六甲砂防事務所と協力し、指導を受け、砂防ダム等、裏山を総点検し、市民を安心させて欲しい」と要求した。
▲北海道新聞を手に、移動の車中にて
実は、この事は危機管理室も認めていて、以前
「手を抜いている訳ではありませんが、傾向は海の津波になっていますので、私達も気にしています」という答えを得ていた。それだけに、今回の広島と礼文島の件は、私たちの東灘区に、何か暗示を与えているかも知れないと懸念した。同行している須磨区や北区の議員に訴えると、「仰る通りで、山を神戸市は忘れているのではないか」と同意してくれた。
現在、全国で52万カ所もある土砂災害警戒地区には、神戸市の多くの地区が含まれている。山の神様と海の神様に囲まれた坂の町、神戸こそ、神様の怒りをかわないように、十分な備えをしなければならない。
朝6時半、旭川市の6条通りを、一人で散歩。緑が美しく、14℃の空気が心地よい。秋の匂いを落葉に感じながら、「いつまでも、無事な神戸であって欲しい。早く帰って、山の神様の対策をしたい」と思ったのだった。