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2014年 07月 18日 金曜日

朝食目的にわざわざ宿泊する … そんな客の3割が神戸っ子という朝食を食べようという… 企画。観光交流都市推進神戸市会議員連盟(会長 吉田基毅議員)が立案した、世界一の朝食を食べる会だ。一人6,200円の朝食とはどんなものかと、市議団15人が自腹で参加。7月17日朝、市議団15人がバスで到着したのは、神戸北野ホテルである。

優雅に食べて頂くためにと、4人掛けのテーブルに2人づつ着座。ついているウェイターは4人と、サービスも行き届いていた。

朝食をつくってくださるのは、4年間フランスで修業されたという、山口 浩シェフ。フランスの名店「ラ・コート・ドール」で宿泊客の為に提供されている「世界一の朝食」を、ここで出してくださる。

山口シェフが皆に挨拶されたが、論理的で、なかなかお話しが上手な方だ。曰く、日本人はアメリカナイズされていて、アメリカ式の新鮮な野菜サラダが付く朝食を思い浮かべるが、フランスの朝食では野菜サラダは出ない。そこで、サラダにかえて新鮮なジュース5種類 ─ オレンジかグレープ・青りんごとセロリ・トマトとサンギーヌ(ブラッドオレンジ)・人参とアプリコット・パッションとバナナの5種類を、それぞれ工夫したビンで供するようにされたとのこと。これに、3種類の焼きたてパンに5種類のジャム、3種類のバターが添えられる。2種類のハムに、カップに入ったスープ、そしてミルクたっぷりのコーヒーで、しめて6,200円。

これといったメイン料理があるわけでは無く、ある議員は「高い」と言った。ある議員は「お洒落で良かった」。またある議員は、「この朝食を毎朝食べたら、糖尿になる」と言う。私は、オモシロイと思った。「大切な方と、朝食を共にする幸せを感じながら召し上がっていただきたい」と山口シェフ。なるほど、実際、この朝食を食べる為にわざわざ宿泊する人が多く、ネットでは3分で予約が埋まるそうだ。

写真
▲ 山口シェフと
フランスでの修行中の逸話で「フランスのシェフは、自分の技術を他のシェフに教えてくれる」と仰ったのにも、興味をひかれた。日本は盗むと言って、いわゆる技術を盗み取りして腕を上げる。徒弟制のように、ピラミッド型の系列が板場の世界になっているのは、私自身が板場の出なので、良く分かる。

そこで、山口シェフにそのあたりをお尋ねしてみた。山口シェフは
「料理の技術は隠してもすぐ分かってしまう。その事をフランス人は分かっていて、フランス料理の向上の為に、お互いに助け合って行く方がいいという思いでいるのでしょう」
と仰る。さらに、「日本人は世界中の料理ができる技術とセンスがあって、あらゆる料理界にいる」とも。

私にとっては、朝食もさる事ながら、実はお話しの方が美味しかった。かつての震災を経験された山口シェフが、今、神戸の為に働いて下さっている事に、感謝したい。神戸北野ホテルの、世界一の朝食。機会があれば是非、大切な方とご賞味あれ。