Skip to main content.

2014年 06月 13日 金曜日

次に開かれる関西広域連合会は、28日の大阪。そこでの代表質問で、私が嘉田由紀子滋賀県知事にお尋ねしたいと思っている事こそは… 今回新聞で報道された、滋賀県高島市の、市役所ぐるみでダイオキシン類濃度認定結果を隠蔽していた件についてだ。

基準値を超える、ダイオキシンを含む廃棄物を違法に、神戸市及び大阪湾広域臨海環境整備センター神戸処分場 ─ つまり、六甲アイランド南にある埋立て島フェニックスに搬入したというのだ。それも、7年前から続けられ、基準の17倍だった時もあるという一件である。

私は怒っているが、それは、単に廃棄物が違法に搬入された事のみならず、この詐欺行為が行政によるからだ。勿論、民間企業がやっても絶対にいけないのだが、民間であれば、まだ家族を養い社員を食べさすため等の、やむにやまれぬ理由があるやも知れぬ。だが、行政がやったとなると、これは犯罪の重さが違う。この事を分かっておられるのだろうか?

これが民間なら、会社倒産まで追い込まれて当然である。高島市々長が久元神戸市長にお詫びしたことで、ブスッとガスが抜けて終わるとでも思っておられるのだろうか。第三者の検証委員会をつくって原因を明らかにして再犯を防止するべきである、としているが、トカゲの尻尾切りにように、適当に高島市の職員を処分して終わるのか。もしそんな結末なら、地元の人々にはご納得いただけないだろうし、私も納得が行かない。

現地住民の立場に立っておらず、しかも行政がこの隠蔽工作をしたという、大問題。「滋賀県は、この隠蔽工作を知っていたのではないか」という疑問も残る。地元からは「健康診断をして欲しい」「説明会をして欲しい」「本当に大丈夫なのか」といった声が出ている。神戸市も、それに応えて説明会を開く等、対策を実施する必要がある。

一方、滋賀県からは、神戸市や地元に対して公式なメッセージは届いていないようだ。県循環社会推進課の担当者が、高島市の弁明は「とても理解できない」とあきれていたそうだが、県も騙されていたとはいえ、神戸市や地元へ、某かの行動なりがあって然るべきではないだろうか。

しかも、この件、国の会計検査院の調査によって発覚したという。これは一体、どういうことか。記者発表も、フェニックス側からだった。何故、高島市及び滋賀県はそのタイミングで発表しなかったのか。「今のところ、住民の健康被害は無い」という見解が、そうさせているのだろうか。事の重大さが、全く理解できていないのではないか。

確か、滋賀県は環境先進県としてその実績を誇り、嘉田知事も、関西の水がめ琵琶湖の浄化を宣言して知事になられたと記憶する。その滋賀県が ─ 法的にも監督権限者であり、指導する立場である県が、単なるお詫びですまそうとされたのか、というところでさえまだ理解できないのに、嘉田滋賀県知事の姿勢がまだ見えてこないのは、如何なものか。7年間もの長期にわたって、この犯罪を見逃した責任をどうされるのか。ダイオキシン対策が不備な焼却施設を見逃していた滋賀県の責任は、重いのである。
写真