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2014年 04月 25日 金曜日

1万年前の氷を、子供達が触る。冷たい。コップの中に入れると、パチパチ、氷の中の1万年前の空気がはじける音がする。色々と工夫をこらして… 子供達に南極の氷を紹介していたのは、自衛官の方々。

「海上自衛隊砕氷艦「しらせ」が持ち帰った南極の氷を、学習に役立てて欲しい」という話が耳に入り、基地隊に住吉学園幼稚園と青い鳥幼稚園の二園をご紹介申し上げたのは、4月22日、私が久しく応援している海上自衛隊阪神基地隊でのことだ。

住吉幼稚園では、阿部泉園長のもと、3人の先生が、広い講堂に集まった60人の園児達と一緒に、楽しみながら説明に当たられた。海上自衛隊の井上明則2等海佐も、目を輝かせる子供達を見て、嬉しそうだ。可愛いペンギンの姿と南極大陸の大自然の映像も紹介。南極といえば1958年、南極に置き去りにされながら生き延びていた樺太犬タロ・ジロを思い出す私も、子供たちと一緒に楽しんだ。

初代の砕氷艦しらせは、1998 年12月にプロペラ故障のためプリッツ湾で立ち往生していたオーストラリア観測船オーロラオーストラリス号の解放に成功して、世界的に名をあげるなど、国民に愛と勇気を与えてくれた思い出がある。同名の二代目しらせは、私の議長時代の神戸港に入港した時、海上自衛隊艦船を入れたくないがために、自衛隊の舞鶴音楽隊も入れず、横断幕を裏がえしにしていた、神戸市の失礼事件が脳裏に蘇るように、何かと、私にとって妙に縁のある身近な「しらせ」である。

幼稚園の帰路、立ち寄られた2人の海上自衛隊の方と事務所で昼食を取りながら、「韓国のフェリー沈没事件ですが、日本の海上自衛隊が救助に行っていたら、日本の救助技術も装備もかなり高度だから、かなり変わっていたでしょう」と、控えめに話をふって「まさか完全沈没させる事は無いでしょう」とたずねてみたが、ニタリと笑うだけで、答えは頂けなかった。

お二人が帰られてから、しらせの資料に改めて目を通した。現在の2代目砕氷艦「しらせ」は1万2千トン。4基・3万馬力のディーゼルエンジンが、最大速度19.5ノットでの航行能力を発揮する。輸送・観測ヘリ3機を搭載する、世界的にも高水準の観測艦である。一般公募されたその名称の由来は、「自衛艦の名称等を付与する標準」で砕氷艦の名称は「名所旧跡の名」なので、「白瀬氷河」に因むと説明されている。だが、その白瀬氷河は、日本初の南極探検隊長白瀬矗中尉の探検にちなんで名づけられている …… ふと、今夜は、軍歌でも歌ってみたいと思った。