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2014年 04月 11日 金曜日

せめて神戸でも、既にいる総領事ばかりでなく、アメリカ、フランス、ドイツ、中国、イタリアなどの大使を招待して、神戸牛でも食べてもらって、神戸をもっと売り込んでみたらどうですか…ねぇ、優秀な市長さん、国際交流推進部長の松田さん… というのは、実は先日の福岡での日露フォーラムでの経験から。主催の福岡経済同友会国際委員会とオーポラロシア福岡の田村文彦会長の御好意で再び御招待を頂いた平野昌司議員と私は、4月9日、また九州北端の都市を訪れたのだ。

今回の講師は、日露交流協会副会長の朝妻幸雄氏と、エフゲニー・ウラージミロヴィチ・アファナシエフ 現駐日ロシア連邦特命全権大使。

日露経済交流の展望と題された朝妻幸雄氏の講演は、「私の名前は、モーニングワイフ」と笑いを取って始まった。72歳の同氏は、外務省の委嘱で、日本センター所長としてモスクワに赴任。ロシア滞在年数28年という、ロシア通だ。主な講演の要点を列記すると…

  1. 日本人はロシアと付き合うのに、臆病になっている。ロシアは冷酷で怖い国と思っている。それは逆で、ロシア人は日本が好き。大変な好日国である。

  2. 今回の東北の震災において、ロシアはトップクラスの精鋭部隊からなる150人の救助隊を出し、何も要求せず、もくもくと働き、静かに去った。アメリカは部隊をたくさん送ったが、費用を要求している。メディアはアメリカの事を報じても、ロシアについてはゼロであった。

  3. プーチンは、ロシア国内では圧倒的な支持があり、プーチンが首相の時のロシアは、経済的にも急成長をしている。ロシアに出ている企業は、アメリカ1100社、欧州6000社。日本はわずか200社。日本は、ロシアに近づいていない。確かに1990年代、日本から出た企業が大きな痛手を負った事があり、その時のトラウマがある。が、あまりにも少なすぎる。ロシアはアジアに向かっていて、日本に熱い思いを持っている。今や、韓国企業が急増している。

  4. 資源大国ロシアと日本の技術が組めば、最強経済国が出来る。ロシアは、それを求めている。

  5. 日本は、ロシアを見下げてはいけない。今や経済大国である。かつての貧しい国ではない。見上げてもいけない。対等に付き合う事が大切である。

  6. 今回のウクライナの件で、日本政府の対応はもっと慎重にするべきである。

  7. 地球を北から見ると、福岡から東京と同じ距離に、ウラジオストクがある。イラン、イラク、アラブからエネルギーを求めるより、早く、安い。もっと研究するべきである。


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▲ アファナシエフ大使と
といったところだが、他にも多岐にわたり中身の濃いお話しで、私は多くを学んだ。次いで登壇されたロシア大使は、朝妻さんの語った事は全てその通りだと前置きし…
「ロシアは決して冷たい国ではない。ロシアの広大な領土の3分の2は、アジア地区である。3分の1の欧州側に、1億人の人が。3分の2のアジア側には、わずか1千万人しかいない。このアジア地区に、日本の技術で農業を協同経営できれば、両国にとって大きな利益となる。世界は色々言っているが、ロシアはエネルギーで他国を脅かした事は無い」
と述べられた。

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▲朝妻先生と
これについて朝妻先生に確かめると、
「ロシアはロシアの連邦を組んでいる国々に安く、時にはお金が滞納してもエネルギーを供給しているが、それらの国が欧州よりになったり、アメリカに媚びをうって逃げ出そうとするので、それなら、欧州に出している同じ値段でエネルギーを買って下さい。または、今までの借金を返して下さいと言っているので、脅しているとは思っていないのでしょう」
と解説してくださった。なるほど、そうかもしれない。

アファナシエフ大使は、「私は、日ソ平和条約が締結されるまで、決して大使を辞めない」と決意を述べられた。その素晴らしい使命感に、私は心から拍手を送った。

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続いて開かれた晩餐会では、大使ご夫妻や先の朝妻幸雄氏に加え、貫 正義 九州電力株式会社会長、石原 進 JR九州取締役会長、久間章生 元防衛大臣、蔵内勇夫 農学博士(写真右・前列中央)、深川裕次 有田町商工会議所会頭(写真右・前列左)、それに、麻生渡福岡空港ビルディング株式会社社長・元福岡県知事など、豪華な顔ぶれが約20人。特に麻生氏は、平野昌司と私の名前を挙げて「わざわざ神戸から勉強に来て下さった」と、私たちにもご配慮下さった。ありがたい事であった。

これだけの仕掛けをする田村という人物と、人脈を持った麻生渡氏は欲しいなぁ、と平野議員と語り合った。なにしろ、このフォーラムで、福岡という街がロシアで売れるのだ。かつて、フルシチョフ‎にペプシーコーラの社長がプレゼントをしたおかげで、今やロシアはペプシーコーラだらけだ。ロシアは友好国であり、我々を待っている。「神戸もプロポーズしよう」 ─ 私と平野議員で地ならしして、同志の議員と共にロシアを訪ねたいと思っているところである。彼国の人々の心は、決してツンドラ(永久凍土)ではないようだし…。
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