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2013年 12月 27日 金曜日

新型インフルエンザで、悲しい風評被害を受けた、神戸。あの生々しい記憶が焼き付いているものだから、福島の風評被害は、私にとって他人事ではなく、とても心痛む問題だ。実は… 東灘区の某スーパーマーケットでのこと。福島県のきゅうりと長崎県のきゅうりが、並べて置かれていたのだが、福島県のきゅうりの山には「ご供養用に」とあった。つまり、長崎県産は食用で、福島県産はお供え用だったのだ。

この話は、去る12月22日、本山第三小学校少年野球退団式に出席した時に、Oさんからうかがったこと。Oさんは、少年野球で子供達の面倒を30年以上も見て下さっている、立派な方。御子息は、福島県庁にお勤めで、Oさんからは常々、「福島県庁職員は、寝る間もなく働き続けている」「毎日、福島県で浄化作業にもくもくと励んでいる」とお聞きしていた。

その息子さんが、たまたまお盆で帰省され、福島県の物産がどのように取り扱われているのか、いつも気になっていたので、東灘区のあるスーパーマーケットに行ってみた。そこで、冒頭のきゅうりを見て、衝撃を受けた、というのである。

それを聞いたOさん、怒って抗議に行こうとしたものの、堪えた。万一事が大きくなって「福島産は危ない」という、さらなるイメージダウンにつながるのを恐れられたのだ。

「せめて写真でも」と、携帯で写すに留めたというその写真を拝見して、私は、悲しかった。韓国が、国を上げて「日本産は放射能汚染されている」と声高に言っているとも聞き及ぶが、これではまるで、日本の大手スーパーマーケットが、同じように叫んでいるようなものではないか。

私は、この歳でもあり、福島県産をすすんで食べるようにしている。そうでもしないと、この心の痛みが癒えそうにないからだが、正直言って実は福島産、とても美味しいのだ。だから、安心して口にできるよう、流通・販売にあたって細心の注意を払っていただくのはもちろんだが、こうした販売方法への配慮も、欠いてはならないと思うのである。