午後にはあの速水消防士の消防葬に… 出かけた。
▲消防葬会場
午後1時30分、「神戸市消防葬」が神戸文化ホール大ホールでしめやかに始まり、私も出席した。あの、6月1日東灘区で起こった工場火災で殉職された速水力さん。その遺影の真正面に、私は座った。まるで、速水力さんと対話しているように思えてならなかった。私は「君がもう火の中で倒れた時、外に居た、たった一人の市会議員だよ。君の仲間は君を助けようと何度も何度も試みたが、できなかった」と遺影に向かってつぶやいた。
彼の遺骨は、ベートーベンの「英雄」が流れる中、仲間の消防士たちに運ばれ、壇上中央に安置された。天皇陛下から叙勲が許されたことを、消防庁石井審議官が伝達された。矢田市長は「君の崇高な精神と、尊い命を懸けて任務を遂行した責任感を忘れる事はできない」と語った。また消防葬委員長の小野田局長は「君は、阪神大震災で災害から市民を守る事を決意して、消防局に入隊され、殉職を果たされました。二度と二次災害が起きないよう、誓います」と、弔辞を捧げた。
▲弔辞を捧げる田中君
▲夫人は凛として花を手向けられた
葬儀が進み、速水夫人が堂々と見事に、献花された。お父上は、淡々と献花された。きっと、速水君と暮らした少年時代からの事を思い浮かべたに違いない。お母上もしずしずと献花された。辛かったに違いない。いかに世の中のためとはいえ、母親なら辛いに決まっている。
▲お別れに臨まれる父君
私は今、速水君が亡くなった現場を思い出している。現場にも花をたむけた。私のできる事は、すべてやった。この消防葬でも、最後まで残った。東灘区の議員として、君へのお礼と敬意を表する為に…。
葬儀が終わってなお、そこには東灘区の4人の議員の姿があった。私は救われたように思った。区長・副区長、そして御影中学校の校長の姿も、そこにあった。君の事は決して忘れない。ありがとう、ありがとう…