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2013年 11月 19日 火曜日

「学校に行けなかった分、今は読書をしている。その中で、素晴らしい詩を発見した」という青山晃久氏が口にしたのは、あの有名なアメリカの詩人、サミュエル・ウルマンの青春の一節「年を重ねただけで人は老いない。理想を失うとき初めて老いる」だった。

そんな氏が私とよく似ていると感じたのは… 去る11月16日土曜日に催された「青山晃久氏 起業50周年記念大会」でのこと。ANAクラウンプラザホテルでの一企業の催しをなぜ、このブログに書くのか。珍しい事に、なぜか、書きたくなってしまったのだが、 実は、青山晃久氏は私と同い年だから、その共感からかも知れない。

氏は、この集いを、来訪者が楽しんで、本当に青山晃久を知って、これからも長くお付き合いをいただきたい、という思いから、ありがちな「思い出」と「社員表彰」の催しではなく、「出発の集い」をテーマにしたようだ。特に、楽しんでいただく事には、自分も家族も、時間を掛けて工夫を凝らしておられた。

氏がスポットを浴びながら、真っ白なタキシードを着て登場すると、開口一番「これから、青山劇場の始まりです」。有名なタージンの司会が、会場を盛り上げる。友人代表のあいさつでは、氏の不倫海外旅行の失敗談。裏面の暴露ゲームは、青山晃久氏のエピソード当てクイズ。現夫人とのお見合いでも、博打場に行ったとか。ビンゴゲームの表には社長の顔写真があしらわれ、チーズとワインの味くらべでは、氏の好きなチーズとワインを持ち込み、どちらが高いか。素晴らしいマジックショーに、ものまねなど、いずれも会長が気に入った本物の芸人が招かれての、エンターティメント。

氏がポケットマネーの10万円を出したクイズでは、社員一人一人に声を掛けて励ます ─ そんな心配りをしながら、大切な銀行筋には、主賓としてごあいさつを頂く等、押さえるべきところは押さえていた。

私は、皆さんがご存知でないだろう側面を、ご披露申し上げた。
「氏は片親で育てられ、ご苦労を重ねてこられた。現在、地場産業のケミカルや不動産、株等、多方面に事業を拡大し、大きなコンツェルンを築かれつつある。苦労を顔にも言葉にも残さず言わず、ただひたすらに前を向いている。いつまでも、夢見る少年のように走りつづけておられる。一方、私への陳情といえば、両親に恵まれず、市や県の施設で育っている子供達に寄付したいと仰る。私が施設をご紹介申し上げると、自ら出向き、施設長の話しを聞いた上で、寄付を続けておられる。きっと、『頑張れ、頑張れ』と応援しているようなお気持ちなのだろう。そんな、底抜けの明るさの陰に人間の情けと血を持つこの男が、好きになった…」

実は、スピーチでは語らなかったが、ご自分の三男一女には、本当に厳しかったらしい。息子が自分の会社に初出勤をするのに遅刻した時、氏は、息子の新車の外車をかなづちでボコボコにしたと言う。青山劇場の最後に、氏は、4人の子に、心から厳しく育てた事を詫び、最愛の妻には、勝手放題させてくれたことに感謝しつつ、「これからも許して下さい」と甘えていた。

きっと彼は、冒頭の詩のように、いつか、青春のまま去るのだろう。それでも志はきっと、ちゃんと受け継がれる ─ 人との丁寧なお付き合いを心がけているそんな青山グループの、益々の成長に期待しているのである。
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