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2013年 10月 08日 火曜日

難産だった神戸市立東灘区図書館が開館したのは、去る秋晴れの9月23日。午前10時からの式典には、たまたま当番幹事だったので、私もスピーチとテープカットの場を頂戴した。私は、「インディアンは子供は村で育てると言います。私達も、この図書館とだんじり資料館をいいツールにして…

村で子供を育てましょう。学校や家庭で出来ない教育を、皆でしましょう」と皆さんに呼びかけた。そんな、こけら落としのその日その時には、実は、様々な思いが… 私の脳裏を駆け巡っていた。

思いおこせば、15年も昔のこと。新しい図書館の所在が検討されていて、一時は生協ビルの最上階という案もあったが、立ち消えとなった。結局、住吉学園が旧東灘区役所跡地を買収することになり、その一部を市が図書館用として分譲を受けたのだった。住吉学園の協力には、心から感謝したい。

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市は、教育委員会の生涯教育課が担当。地元を中心に検討委員会を結成して、どんな図書館にするか、山本婦人会長他、地域の有識者が何回も会合を開いて、その方向性を定めていったのだが、我々議会人には何の相談もなく、蚊帳の外だった。

少なくとも、東灘区で、選挙という手続きで同区選出議員という立場にありながら、意見を挟む場が与えられなかったのは、遺憾。そこで、私は働きかけて、各議員に集まってもらい、色々と意見を言って、参考にして頂いた結果、多目的ルール等が誕生した。それは地域の人々が、趣味の会 ─ 書道や折り紙や絵画などで、発表の場として活用でき、さらにコミュニティーの場としても利用できるようになっている、地域文化の向上を目的とした空間である。

住吉だんじり資料館も同時開館。矢田市長の主催者としての挨拶は、市長として最後。彼は、神戸市で最高の図書館になったと語った。私は、こんなに後になって…せめて、約束の日から1年半も遅れた説明が欲しいと思ったものの、市長にとって、彼の好きな東灘区、しかもだんじり資料館の前で話せたのは、良かった。

私は「こんなに素晴らしい図書館が出来上がった。この図書館に、これからどんな魂を入れるか。どんなクオリティーの高い図書館にしてゆくか。今度は、私達区民の責任です」と説いて、冒頭の呼びかけに力をこめたのだった。

思えば、きつく意見を申し上げた教育委員会も良くやって下さったと、心で改めてお礼を申し上げながら 帰路についたのは、気持ちのいい青空の下だった。
写真 テープカット