▲ 壇上にて、緊張の面持ちで
久元きぞう氏は、私のことを「議会の子」と称して下さった。実に10期、私の生涯を議会に捧げ、議会の権威を高めるために賢い議会にならねばならないと、議員各位の研修と学習を仲間の議員に呼びかけた。議長時代には市長と対等に対抗できるよう、神戸議会基本条例を優秀な市会事務局の助力でつくり上げ、その結果、早稲田大学のゼミで全国2位に評価された。これらは、私が秘かな誇りとしていることなのだが、その弁に「良く見て下さった」と、本当に嬉しかった。
連合長でもある井戸敏三知事の話は、関西広域連合の成り立ちと今後について。兵庫県知事としてのみならず、今や関西一円の指導者として、その地位を固めつつあると私は思っているが、それにふさわしい熱弁だった。
私は、20分間に渡り、神戸市の今後10年について、その方向性を力説した。
カギは、医療産業都市構想の成功にかかっている。阪神淡路大震災で神戸は大きな打撃を受けたが、この構想に1,800億円を投入して、実績を積んでいる。経済効果1,041億、雇用者5,000人、集まった会社300社。そして、山中先生によるiPS細胞によるノーベル賞の受賞と、そのiPS細胞を使っての高橋先生による臨床の開始 ── これらは、すべて神戸ならではなのだ、と。
その「神戸ならでは」を受けて、神戸市企画調整局が、安倍内閣による国家成長戦略の企画に応募。一躍、日本中の目を引きもした。それは、iPS細胞で日本の医学をリードし、神戸における新しい医学が世界の医学を変えるのだという、堂々としたチャレンジだった。
医療だけではない。港湾でも、かつてコンテナ貨物取扱量世界第3位から36位にまで落ち込んだものを、阪神港湾コンテナ港として特区申請している。これら二つの大きな賭けに出た神戸は、必ずこの戦いに勝利し、新しいステージに上がる。それには、久元きぞうが必要であると締めくくった。
続く青山繁晴氏による講演の充実は、ここで述べるまでもない。御来場下さった700人の方々お1人お1人は、存分にその流暢で鋭い話に熱中し、記憶に刻まれたことだろう。
議会の子として広域連合へ…自らを奮い立たせつつ、今回の皆様のお運びに、心からお礼申し上げる。