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2013年 09月 17日 火曜日

水道局の所管である大容量水送管整備事業の視察は、所属する常任委員会 企業建設委員会で二箇所の実地視察を行なった、そのうちの一つ。平成7年の阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ… 山崩れ等の危険をさける為に、地下に直径2.4mの管を埋め込んで安全を期そうとしている。神戸市内の本線延長は13.7kmで、その最大送水能力、40万m²/日。

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▲ 王子工区 鋼管の搬入
神戸市民の利用する水源の3/4は琵琶湖・淀川水系を水源に持つ阪神水道企業団からの受水だが、その送水幹線は山岳トンネルによる。その既設送水トンネルに頼り切っているという危険を分散するために、新らしく市街地の地下深くに、耐震性の高い送水幹線を整備しようとしているもので、今は、芦屋市境から奥平野浄水場区間の12.8kmを貫く、平成8年〜27年度に渡る第一期計画の段階。ここまでの予算、実に370億円という、大がかりな事業である。

中でも、布引立坑〜奥平野浄水場間の2.4kmは、道路がまっすぐではないので、2001年に施行された「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」(通称 大深度法)の、全国で初めての適用をうけている。

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▲ 石屋川工区
第一期の12.8kmの間には、6カ所の立抗が設けてある。いざという時は、その立坑から市民に水道が供給される。私達は、布引立抗からエレベーターで地下50mまで降りて視察したのだけれど、地上からは見る術もない地下での大工事に驚き、感動した。そこでは、市民の安全を守るべく、水面下ならぬ地面下の努力が、日々着々と行われていた。

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▲ 住吉川の給水拠点
局長に、何故奥平野で止めるのかと尋ねると、「まさにそれが問題で、何とか垂水区の名谷ポンプ場まで伸ばしたいと思っている」という答えだった。さらに、何故地下50mと位置付けしたのかを尋ねてみた。「平成13年4月1日より、大深度地下使用法ができたことによって、公共の利益となる事業においては、大深度地下の利用が可能になり、容易になったことから、時間もコストも縮減ができるから」と答えてくれた。それまでは、できるだけ道路の地下を通していたが、今では工事がしやすく、かつ短距離で地下を通せるという答えだ。実際、その結果、公道の地下へ迂回するよりも600mも短かくなっているという。いいではないか。

地権者が地球の底まで権利を持つのではなく、大深度の地下を大都市に残された貴重な空間として使うのには、大賛成。見事な施策だと、激励申し上げたのだった。