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2013年 07月 26日 金曜日

訴えが差戻されていた神戸市外郭団体への人件費支出損害賠償請求事件等の4次訴訟に係る控訴審判決が、今日、大阪高等裁判所で言い渡され、玉田敏郎行財政局長から報告をうけた。判決要旨は… 支出は違法と判断したが、市長への損害賠償請求権を放棄した市議会の議決については「議決権の乱用があったと認められない」として「控訴人(原告市民団体)の控訴を棄却する」。つまり、神戸市側の主張が全面的に認められての勝訴だ。

思えばかつて、最高裁判所で原告住民団体が勝訴し、矢田市長は、外郭団体への人件費の支出の手続きを違法とされ、個人で市に約25億を賠償するよう命じられた。これをうけて神戸市会は、市長は「賠償する必要は無い」と、平成21年2月26日に与党多数で議決した。それが、全国的にも大きな問題となって、法曹界も、学者も、意見が二分していた。

ご存じのように、市議会の議決も裁判になり、私の議長時代の平成24年4月20日に議長室で、その最高裁の判決をピリピリと待ち続けていた。確か、午後6時頃だったと思うが、神戸市勝訴の知らせが届いた。私は、敗訴の時は、市長と共に記者会見をする覚悟をしていた。周りは止めたが、神戸市会の決議が無効とされるならば、それは「議長として残念である」し、次の対抗策も考えねばならなかったのだ。幸い、神戸議会の議決が有効とされたので、安堵して帰路についたのだった。

翌日は、各新聞社はもとより、各メディアがその件を大きく報じていた。各紙の社説は、今回のような神戸議決を乱用しないよう求めていたが、それは勿論のことである。江戸時代の徳政令のようなことは、よほどの正当性が無ければ議決してはならない。議会にも当然、その自覚が求められていると、肝に命じている。

今回の判決は、その議決が有効か無効かを判断するもので、矢田市長が公費を搾取したことではなく、給料の支払い手続きの問題で、手違いでのペナルティーとしては過酷過ぎると判断されたのである。

報告をうけたのは一連の判決の一部であり、市民団体は上告するというが、私は、すべてにおいて勝訴すると期待しているが、正直、もう二度とこんな裁判はしたくない。改めて思い巡らせたのは、「税金は、もっと丁寧に真剣に使用しなければならない」という、当たり前の結論の含むところなのだった。