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2013年 07月 08日 月曜日

議長当時のある日、電話で、しばらく会っていなかった課長を「コーヒーでも」と誘おうとしたら、定年まで二年を残して退職し、お好み焼き屋を始めたという。驚いたが、すぐ嬉しくなり、「頑張れよ」と心でつぶやいた。その課長とは… 公平・勤勉で明るく、熱血漢の部下からも敬愛されていて好きだった、神戸市都市計画総局住宅部管理課勤務の北山富久元課長。開いた店は、加古川のお好み焼き屋「トム&すーじー」だ。たまたまA幹部に話すと「そうなんですよ。応援のつもりで、時々行ってます」。そこで、道案内を頼んで訪ねようということになったのが、7月5日。市役所1号館前で、5時40分に待ち合わせ。A幹部とボランティアの足立さんも連れ立って、下戸の私の運転で加古川へ、お好み焼きを食べに行こうというわけだ。

お店の案内カード
先客で満席だったその店は、5席の瀟洒なつくり。元課長の努力で、確実にお客さんがついているようだし、人柄だろう、客筋もいい。お客さん同士が、友人になる、愉しい狭さだ。居間に入って、脇で二人がビールを傾け、私はメニューを拝見しつつ、席が空くのを待った。メニューからも、色々とご苦労なさっているのが分かる。別に修行をした訳でなく、いろいろな所を食べ歩いて、身につけたというそれだけに、他店に無いものを考えるなど、いろいろ試しておられるのだ。

あれもこれもと、沢山頼んで、お腹一杯食べた。すべて、美味しかった。特に、長田名物油カスを使い、ミンチを載せて焼いたオリジナルメニューの“かすみ焼き”は逸品。そして、もう一つの傑作は、鉄板で焼く明石のたこ焼き。私は元板場だから、良く分かる。素人の域を出ないとはいえ、それが又、いいのだ。いわゆる、家庭の味である。メニューに行き詰ったら、タイか韓国に行けばヒントは沢山あるよと、一言アドバイス申し上げた。

「死ぬまでに店をやりたかった」という元課長、ボランティアの足立さんの同窓、葺合高校卒と聞いて、びっくり。同じバレーボール部と聞いて、又びっくりしたりと、あれやこれやで、話がはずんだ。いきいきとしてカッコいい、元課長。そう、彼はまさに生きているのである。仕込みから店の掃除、会計まで一人でこなし、奥様は、今も勤めに出ておられるという。「役人はみんな、ストレスを持っている。大切にして下さい」と、私への注意もいただいた。「あなたのように、何とかしようという意欲のある人は味方するが、逃げまくる建前上手な課長は嫌いだ」と笑ってお返ししたのは、お互い真意が分かるがゆえ、だ。

再会を喜んでツーショット
素敵な男、お好み焼き屋の大将 北山富久氏と再会した、満足な一夜。これからは、嫌なことがあったら、黙って一人で「トム&すーじー」に行って、きっと生まれているだろう新しいメニューを見て楽しもうと思う。