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2013年 07月 05日 金曜日

社交辞令抜きに「私は日本が一番好きで、その中でも、神戸は世界一の都市だと思う」と本気で言ってくださったのは、インドのヴィカース・スワループ総領事。この度、本国に帰国することになり… 私と、同志の平野昌司市議(兵庫区)、それに、毎年10月にメリケンパークで行われ、今年で4回目となる20万人規模の印日交流イベント、インディア・メーラーのプロデューサー、仲さんの3人で主催したお別れの晩餐会を、去る6月13日に、甲南漬本店経営の「武庫の郷」で催した。

矢田立郎神戸市長からも参加したいとの申し出をいただいた、総勢11人のお別れ会。料理は美味しいすき焼きとしゃぶしゃぶ。総領事御夫婦は宗教上のこともあって野菜と豆腐なのだけれど、奈良漬など、漬物を好んで召し上がられた。

市長は、特にヴィカース・スワループ インド総領事が好きでおられたようで、お二人の間には、我々の入れない友情というか、絆というか … そんなものを感じた。お互いに、これからの健康をいたわるようにと語りあっておられた二人には、現職を去る者同士の哀愁がただよってもいた。

私と平野議員は、「かつて、住吉川西側の領事公邸に招待され、婦人の手作りの料理を頂いた、それ以来、ナンが好きになった」ことや、「医療産業都市の調査で、インド デリーの病院のお世話等、調査にお力添えくださった」こと等に、御礼申し上げた。

私は、「神戸とインドとの関係は深く、これからは、中国よりインドと、より深い地方外交を始めて、観光、経済、文化、教育等において、いっそう関係が深まるよう願っている」こと。特に「ヴィカース総領事が就任されてから、そうした面において関係が深まりだしている」と、所感を述べた上で、「実は、神戸市市会議員団では、インド友好議員連盟を立ち上げる用意をして作業に入っており、すでに、18人の賛同も得ている」と、報告した。

駐日インド大使として、いつの日か日本へ帰ってこられる頃には、市長も私も平野議員も職を退いているだろう。苦労を厭わず努力してくれているプランナーの仲さんも、その時にはどうしているか … それでもお互い、頑張っていこうと誓い合った。ヴィカース総領事が始めた神戸のインディア・メーラーが、更に大きく充実して続いているように願いつつ、私と総領事をつないで下さった領事館の武笠女史に、心からお礼を申し上げたい。

実は、総領事は著名な作家でもおられる。その小説は37ヵ国語に翻訳され、全世界で絶賛された。「スラムドッグ $ ミリオネア」というタイトルで映画化され、ゴールデングローブ賞、アカデミー賞では作品賞を含む8部門を受賞しているので、ご存じの方も多かろうと思う。こんな惜しい総領事が、神戸を去っていく。私は素直に、総領事の冒頭の褒め言葉を受け入れたい。私の生ある限りで、恐らく二度と会えないだろうと思うと悲しいが、残してくださった色紙を壁に飾り、甲南漬を食べる度に、控えめで知的で清潔な総領事の容貌を思い出して、心暖めて行こうと思う。

写真 送別晩餐会にて