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2013年 06月 20日 木曜日

「東南アジアに売れるのは、水だけじゃない」と思えたのが、神戸の予防検診。去る6月8日土曜日に、兵庫県予防医学協会で自ら市民健診を受けた、その感想である。実に… 機能的に働いておられる職員の方々が立派に、心をこめて市民サービスの一角を果たしているのに感心したからだ。

初対面であろう誰もに笑顔で接し、言葉のはしばしに「ありがとうございます」「お待たせして、すみません」。これで皆、何も言わず納得。かつての、様々なクレームやトラブルから学ばれたのだろうか。現場でのミーティングも、重ねられたことだろう。自分たちが一所懸命に勤めながらも、受診する方々には親切に接すれば、多少のことはお互い様。「よくやって下さる」と、健診される人々は思う。

例えば、私は前立腺がん等の検査のために、採血3本。並んで順を待っていると、3人の女性看護師が、手早く立ったまま、採血している。その手際の鮮やかなこと! クレーマーが多くなっているという日本にあって、これは世界一のシステムだと、私は思った。どんな血管にも針をさして、素早く採血する。しかも、事故はほとんど無いという。

諸外国に行ってみれば、平気で客を待たせる。早くして欲しかったら、対価を出して、特別な病院へ行かねばならない。そんな見方からしても、立派だと思う。難を言えば、事前の問診ペーパーにある、個人情報の本人への確認欄が今一つ分かりにくかったが、それくらいだろうか。

しかし、実は、この御影の兵庫県予防医学協会は、今ある地から姿を消す。それも仕方が無いか、と感慨にふけりつつ、帰りしなに建物を見てまわった。こんな立派な市民サービスを提供してくれている、この公益財団法人への出資金の県と市の対比は、市が13で、県が1。圧倒的に市が出資している。広く県下一円の方々においでいただく意味では、県とあるべきかもしれないが、名称に兵庫県とだけ冠されているのは、出資比率からしたら残念なようにも感じる。出来れば、神戸市予防医学協会と改名して欲しいものだ。

この公益財団は、多くの人々の命を、健康を守っている。神戸市を医療産業都市にする提案者の一人として、その業務実態の素晴らしさが嬉しかった。これほどのシステムなら、きっと海外に売れる ─ 医療産業都市は、単にそこに集めるのみならず、そこから出す方向でも発展し得るのである。