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2011年 05月 14日 土曜日

京速コンピュータが設置されている神戸の建物内には、貸研究所が6部屋ある。それぞれが30m²くらいの小部屋だが、そのモノとしてのサイズとは無関係な、大きな仕事をする。すでに5室がうまっており、あと1室にも… かなりの問い合わせがあるという。5部屋には、製薬会社やものづくり企業、神戸大学等が入室。それぞれの得意分野で、関連した研究依頼や分析依頼を受け活躍する、企業や研究所である。

京速コンピュータを使うと、例えば『味』の分析を受けた時、億単位のタンパク質の組み合わせを一瞬にして解析できるそうだ。また、東京大学などは国のプロジェクトに関係しているわけで、仕事の量はたくさんありそうだ。

そのスパコン施設に絡み、この度新たに、東京大学生産技術研究所と株式会社フォーラムエイトという会社が、神戸ポートアイランドの計算科学研究支援センターに拠点を設置し、活躍してくださるようになったと、産業振興局の谷口時寛局長から「スパコン関連企業などのポートアイランドへの進出について」と題して報告を受けた。

バーチャルリアリティ、3次元解析等のソフトウェアと設計支援・CADソフトを開発・販売する株式会社フォーラムエイトは、『3DVRクラウド、解析ソフトのクラウド化・高速化、音響・流体シミュレーションなどのスーパーコンピュータを利用したサービス提要に取り組む』という。神戸市企業誘致推進室企業立地課の努力と狙いが成功したと言えるだろう。スパコンを使いこなせる企業が張り付いてくれるか心配していたが、この分だと日本中の仕事を引き受けることができそうで、どうやら要らぬ心配だった。ありがたいことである。

担当課の「スパコン食わず嫌いの産業界や企業に、使うと便利だし、時間と経費の大きな削減になると、もっと知っていただき、身近なものとして啓蒙していきたい」という決意を聞いて、「世界2位ではダメなんですか」と戯言を言ったのは蓮舫だが、地方の課が努力して、カバーしてくれている。運良く世界一を続けていられたなら、もっと企業も集まって、研究室も6室とは言わず10室は埋まったのではないかとも思うが、それにしても、良くやってくれている。市職員の努力が結実してきているわけで、とても立派だと思ったのだった。