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2011年 02月 08日 火曜日

騒音や粉塵など問題はあるし、我慢も強いられるとはいいながら、工事そのものに反対するのでなく、歩み寄って気持ちよく工事ができるようにして欲しいと思うことが… 少なくない。今度は、お隣の灘区の小山さんという方からお電話。灘区・東灘区界ギリギリの灘区桜ヶ丘町で、宅地造成工事。「地元への説明無しで、大変な騒音と地響きと粉塵で、困っています」と仰る。灘区からは、信頼する同志の吉田基毅議員も「現場に行って見る」というので、私もおっとり刀で駆けつけた。

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たどり着けばなるほど、凄い工事になっている。小山さん曰く「地元には、工事用の小屋を建設して『多少の準備工事に入ります』と連絡があった。それで始めたのがこれです」と仰る。南から来た工事車輌は北へ向かい、我が御影山手の生活道路を南下。調べてみると、平成21年7月6日に大信建設株式会社が都市計画法第29条の許諾を得ている。つまり、開発許可。従って、今の大掛かりな工事も、手続としての違法性はない。

とはいえ、住民は困っている。こういった苦情なり問題は、神戸市都市計画総局建築調整課が、まず市民の窓口になって対応する事になっている。けれど、御影山手の自治会の役員さんも私も「この開発は一軒家の宅地で、ビルやマンションの問題でないので」と、その課から宅地開発指導課に問題を転嫁された。思わず「へぇ〜っ。いつからそうなったの!?」と言ってしまった。

もともと、30年ぐらい前に、隣にビルが建築される時等は近隣の断簡(簡単な、書面での了解証明のようなもの)が必要な都市があり、これを取るのに金品が動く事があった。神戸市は、施主と近隣のトラブルにあたって住宅環境課を設け、大活躍してきた。バブルの建築ラッシュの頃など、担当課長は本当に気の毒で、発病することすら少なくない始末。市役所で、或いは現地で、施主と地元の間に入って、権限もないのに夜遅くまでかかって、丁寧に対応していた。

それが、いつの間に一軒家は扱わなくなったのだろう。本来なら、市役所が施主と地元に来てもらって、建築協定や工事協定を結ばせる努力をするものだ。その時、必要なら関係方面の役人 ─ 例えば騒音・振動なら環境の担当部署といった具合に、関係部署にもその場に来てもらってやるのが、今まで。議員も、その活躍に目を細めていたが…。ずいぶん楽になったものだ。

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▲違法性はないという現場を、唖然と眺める
今回のケース、振られた指導課は、施主と近隣を集めて調整してくれるだろうか。近隣の願いを、指導課が施主にお願いするだけで「施主はできないといっています」で終わり、その内に工事が終わってしまいはしないか。きっと、建築調整課は「安井議員、そんな昔のようにやっていたら職員の数が足りません」と答弁するだろう。だが、本当にそうだろうか。そんなに、建築許可の申請は増加しているだろうか。これから、今回振られた宅地開発指導課にお世話になる。指導課も現場に来てくれて、違法性はないと言うのだが、近隣の人々は粉塵・騒音・振動で困っている。

実は、市の条例は、振動は境界で75デシベル、騒音は85デシベルで規制している。75や85は相当なもので、業者にとっては甘い数字。もっと重要な粉塵にいたっては、なんと規制がない。従って、今回のような大きな工事でも、金網の、1mそこそこのフェンスでもOKなのだ。

御影山手自治会館で、施主のご子息と、兵庫県養父市の工事請負会社、福井建設の営業部長による説明を聞いてみた。「地元説明は既に終わっていると聞いていたので、今改めてさせて頂きます」と、申し出てくれた。私も厳しく申し上げたが、二点、好感を持った。一つは、御影山手の団地をダンプカーで通過する件。交通や速度、警備員について等、協定をするとした事。もう一つは、小山さんの要求で2月7日の工事を止めた事。なかなか困難だろうに、良くぞ受け入れられたと思う。

地元も施工側も、お互いに精力的に話し合いを進めて欲しい。地元には、かなりの知識人や経験者が居られるが、それらの人々の協力の中でやっていきたい。施主は「工事をさせて頂いてもよろしいでしょうか」というような謙虚さを。地元側は、相手に工事をする権利の尊重を。そして、我々議員は、施工方法など技術面の裏付けをもって、時に応じて法や条例を見直し、その整備に努めねば、と思うのである。