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2010年 12月 30日 木曜日

かつて執筆した『地方分権に対する私的提案』という論文中、私は、「今の制度は江戸時代と変わっていない」と書いたが、今年もまた同じ思いだ。私の主張は… 大阪府の橋下知事とは違う。しかし、何とかしなければ地方格差ができすぎて、「乱」が起こりはしないかと心配になる。というのも、平成23年度の政府予算について、企画調整局と行財政局から報告があり、政府予算に係る神戸市関係分が知らされたからだ。

まず政府全体として、地方交付税の自治体への配分額は、平成22年度予算より4,800億円増の、17兆3,700億円が計上された。ひも付き補助金を段階的に廃止し、地域の自由裁量を拡大するため、国土交通省が所管する投資補助金の一部が一括法付近化され、「地域自主戦略交付金(仮称)」として5,120億円が計上された。平成23年度は、都道府県が対象となっており、平成24年度からは市町村分にも拡大されることとなった。

神戸市に関係ある事項を取り上げてみると…

  • 神戸港の振興について
    国際コンテナ戦略港湾(阪神港・京浜港)のハブ機能を強化するためのインフラ整備及び内航フィーダー輸送の強化で、本年度の2倍の327億円が計上された。

  • 神戸医療産業都市構想等の推進について
    世界レベルのメディカルクラスターを形成するため、「地域イノベーションクラスタープログラム」に92億円が計上されたほか、医療産業都市構想関連事業に所要の事業費が確保された。次世代スーパーコンピュータ「京」及び革新的な計算環境を実現するHPCIの構想等で211億円が計上された。また、平成22年度補正予算においても186億円が計上された。

  • 安全・安心なまちづくりの推進について
    公立学校施設の耐震化等の推進で912億円が計上された。また、平成22年度補正予算においても1,187億円が計上された。新型インフルエンザ等感染症対策の橋化で143億円が計上された。また、平成22年度補正予算において、新型インフルエンザワクチンの備蓄で113億円が計上された。

等がある。神戸市のために、かなりの額が計上されていると分かる。同時に、この大きな国からの交付金や補助金を見れば、いかに中央主権かも、否が応でも分かる。

お金は、市民のために有効に使われねばならない。『地方分権は税の配分である』と、私は36年間一貫して言い続けている。権限の委譲は、税の配分の裏付けがあってのこと。いつまで、このような国からのコントロールが続くのだろうか…

もともと神戸市民から出ている税金なのだから、市民に還元されて然るべきなのだ。来年は、良い年であって欲しいと願っている。何よりも誰よりも先ず、市民お一人おひとりの、どなたにとっても。