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2010年 11月 29日 月曜日

このままではずっと変わらず、官の神戸市都市計画プランになってしまう。努力してこんなに立派な案を提示してくれているのに、もったいないと思うのが… 神戸市都市計画マスタープラン(案)等への市民からの意見募集。実施は、都市計画総局の井澤元博局長から各議員に知らされた。

この種の都市計画関係案、全てをブログで紹介するには多量過ぎるので、これまではご紹介もしなかった。が、私が都市計画審議会委員として意見を述べている立場上、これからは、私自身が精査するに従って、少しずつ触れていきたいと思っている。

神戸市全体の広さは、552.80ha(552.8km²)。その全ての土地に、色々な法の網や協定、地域区分、用途地域といった指定と、ルールづくり、誘導整備などを駆使して、人々が永らく豊かに、安心して住める都市空間を築き上げてきた。必要が生じた時々にマスタープラン等と称した計画を立て、私も幾度となく聞かされてきたのだが、効果が上がらない事を繰り返しているように感じていた。しかし、今では、このような事を繰り返したからこそ、あらゆる意味で、確かに神戸市の価値を上げてきていたと分かる。

私が初めて当選したころは、急速に人口や産業が神戸市に集中しだしていた。人口は、100万人から120万人と増え、現在の1,538,570人に至った。19年前のマスタープランでは、人口180万人を想定して上下水道、市街化区域の決定等、あらゆる検討がなされていたものだ。

しかし、現在では都市を取り巻く社会経済情勢は大きく変化している。これからの神戸市は、拡大成長期から成熟機へと移行して行く。間違っても、衰退し、ゴーストタウンや荒れた公園が出現するような、無秩序な衰退都市にならないよう、しっかりと計画を立てなくてはいけない、大切な時期に来ているのだ。

今は、人口を150万人と想定した上で、丁寧に都市空間を創造する努力を積み重ねることで、本当に人間にとって住み良い神戸市にして行く、その礎の時期だと考える。その意味で、今回の市民への意見募集の価値を評価したい。

この施策が、コップの中の施策となってはならない。市民のうち何人がこれに関心を持ち、何人が役所や私のように、今回の神戸市都市計画マスタープランを知り得ているだろう。当局は
「全戸配布を始めとして、4つの案の概要をお知らせします。また、相談所 ─ つまり説明するところを各区に置いて、懸命に努力します」
というが、はたして行き届くのだろうか。あまりにも膨大な上に、用語が難しく分かり難い情報を、いかにして知らせるか。これこそ、広報官の知技量が試されるところだ。

意見を募集するなら、その意義を繰り返し、もっともっと説明するところから始めなくては。そうしてこそ、市民の皆さんの神戸市に対する価値観が変わり、本気で計画に参加し、神戸を大切にするよう知恵を絞ってくださるようになるのだ、と思う。ローマも神戸市も、一日では成ろう筈がないのだ。