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2010年 11月 21日 日曜日

担当者が「『座して死ぬより、今打って出る』事にしました」と言うからには、頑張って欲しい。そのなかで、神戸空港を忘れないようお願いしたのは… 全日本空輸株式会社がやろうとしている『LCC』格安運賃制度について。東京出張の最後に勉強したのだが、大変興味深かった。運賃は格安でも、安全は絶対に確保するのが、使命。その上で、戦略を起てていく。現在、世界のLCCはヨーロッパとアメリカが中心で、アジアでは、まだ完成されていない状況だ。

ヨーロッパの最大のLCCは『Ryanair』。ヨーロッパを中心に42基地を持ち、155空港で26カ国で247機。しかも、B737-800という大型機で、平均機齢数3年。新しい機材を使っており、2009年・2010年共に、時価総額、輸送旅客ランキングともに、Lufthansaを抜いてトップ。

注目すべきは共存で、パイの食い合いでなく、新しい顧客を開拓している点。例えば、英国 ー EU間。チャーター会社や他の、LufthansaやAir France等、大手フルサービス会社も、旅客数は減少せず横ばい。その上で、LCCが伸びているのだ。

地域別LCCの市場浸透率を見ると、北アメリカではLCC数は13あり、28%のシェア。ヨーロッパではLCC数44で、シェア30%。アジアではLCCといえるものがほとんどないが、小さなものまで入れるとLCC数43で、シェアはわずかに12%だ。ここに、全日本空輸株式会社が目をつけた。

「現在、日本の旅行者や移動する人は、延べ4800万人。その内80%が鉄道だから、ヨーロッパのようにパイを拡げる事ができる」と、担当者。注意すべきは、異業種からの参入組が成功していて、親会社のもとでやるLCCは失敗が多いこと。新しい視点でビジネスに参入し、そこで頼るところが無ければ、人材育成に力を注ぐ。

「今までの日本の飛行機会社は、過保護。日本人は、高い航空運賃を払わされてきた事になるのでは」と指摘すると、あっさり認めた。役人のように「その分サービスが良かった」だの「安全の確保」だのと、変な理屈は一切言わない。「これでこそ成功するかも知れない」と感じたのだった。