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2010年 10月 28日 木曜日

「議員報酬・費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例の件」が審議されたのは、10月26日に閉会となった、約1ヶ月を越える長さだった第3回定例市会。あれこれ大切な議決がある一方… 何か神戸市のうっかりミス的な、神戸市印鑑条例の一部改正する条例の様なものまであった。その中の、一つ。

議会が始まると、議員には交通費などに充当する費用弁償と言うのがつく。これまで、自宅からの距離で中央区の3Km以内なら8,000円が支給されていた。私のように東灘区からだと、6〜10Kmで10,000円。西区や垂水区の一部のような14〜18Kmなら13,000円というように、6段階に分かれていた。

これについて、今回の議会で、議員の方から減らそうという意見が出た。議員提出第81号議案として提出され、69人の議員のうち56人が賛成し、提案された

  1. 灘区、中央区、兵庫区及び長田区(日額3,000円)

  2. 東灘区、北区『区役所出張所設置条例に規定する神戸市北区役所北進出張所の諸管区域』及び須磨区(日額4,000円)

  3. 北区『北神出張所の所管区域に限る』、垂水区及び西区(日額5,000円)


で、これまで10,000円貰っていた私は4,000円になる。

反対したのは、共産党と新社会党。この二党は現在受け取りを拒否している状況で、減額ではなく、費用弁償そのものを廃止すべきだと主張している。現に、19政令都市のうち9都市で廃止している。今回の提案にも
減額したとしても、実費以上になっているのはおかしい
と主張している。

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これに対し、公明党の吉田謙治議員は我々減額案に賛成したものを代弁し、本会議場で「議員報酬や費用弁償が規定されたのは、地方自治法第203号で定められており、これは地方自治権の拡大と共に地方議員のより積極的、活発な活動を担保する主旨がある」と主張した。吉田謙治議員は、以前から議員の中でも卓越した理論派。物事を大所高所から見る事のできる論客で、この日も、その弁に感じ入った。

強力な力を持つ「行政機関が、恣意的な行政を排除するために、議会が『check & balance』を発揮させる事が大切」で、法的にも「日本国憲法が規定する『二元代表制』を守るために地方自治法に定められている」もので、もし費用弁償を廃止すれば「法的にも議会が弱くなる恐れがあり、民主主義を揺るがしかねない」。従って、減額は必要でも、廃止は地方議会の意義の否定に通じると主張したのだ。

私も、賛成。議員活動をしながら、行政側の権力の傲慢さと失策をチェックしても、何ともむなしい事が続いているのを実感している。あげくの果ては行政側から「この頃の与党は、与党らしくない」とか「与党か野党か分からない」と言われる始末。これには、議会の責任もないではなかろうが、むしろ、マスコミをはじめとした、行政が流していった『議員性悪説』に原因があるのではないか。確かに悪い点もあっただろう。だが、だからといって民主主義を守らなければ、行政力が暴走する恐れがある。行政側には、もっと議員の意見を尊重して欲しい。諸外国のように『行政性悪説』が出てこなかったら、バランスが取れない。

市民の皆さんには、もっと賢く、真面目に訴える議員に、色眼鏡を外し、先入観抜きで注目してみていただきたいと願っている。