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2010年 10月 17日 日曜日

「映画とタバコは、切っても切れない面がある」と仰るのは、映画監督であり医師でもある、大森一樹氏。東灘区医師会と東灘区役所が主催する地域医療シンポジウムの講演で… 「狭心症・心筋梗塞ってなあに?」〜今日からできる予防〜と題してのお話しの中で語られたことだ。

このシンポジウムは10月16日にうはらホールで行なわれ、医師会の西口郁副会長が「身近な話題について研究し、区民の皆様と共有していく」と開会の挨拶で言われた通り、話題についてよく追求されていた。確か川島龍一現兵庫県医師会長が東灘区医師会長の時からで、もう12年目になる。毎年違うテーマでのお話なので、実に、飽きない。

今回は「喫煙と映画」がテーマで、大森監督は、1942年作の『カサブランカ』での最後のハンフリー・ボガートとクロード・レインズとのやり取りのシーンや、1968年作の『さらば友よ』のアラン・ドロンとチャールズ・ブロンソンとの別れのシーンでのにくい程のタバコの使い方。さらに、主演の志村喬に肺がんを告知する医師がタバコを吸っている、有名な黒澤明監督の『生きる』という映画を紹介されつつ、何もタバコを勧めているのではなく、タバコは良くないと訴えながら、そのシーンを語られるという、実に楽しい講演だった。

演技力で「タバコに頼る俳優はダメで、最近の俳優はタバコを使わない」とも。中でも、『王様と私』のユル・ブリンナー。生前一日5箱も吸うヘビースモーカーだったが、死後すぐに「私は死にました。タバコは辞めましょう」というTVCFが放映されたというお話しにも、もう一歩深く考えさせられた。

こういう機会を得て映画を観ると、色々なシーンがより深く見え、思い描く世界が広がってくる。ご紹介いただいた映画は、もう一度じっくり観ようと思う。良い機会を与えて下さって医師会さん、そして、いっぱい聞きに来てくださった区民の皆さん、ありがとう。