普通会計コストは、これまで政令都市の会計方法がまちまちだった。神戸市では特別会計扱いの空港や企業会計の水道・バス・地下鉄等が、他都市では一般会計や特別会計に入っていたりする。だから、各都市を比較し難かった。だが、総務省から一定のくくり方の指示もあり、普通会計を重視する傾向が出てきているのだ。
神戸市での普通会計は、
ここの地方公共団体ごとに各会計の範囲が異なり、財政比較や統一的な把握が困難なため、地方財政統計上統一的に用いられる会計区分です。神戸市の普通会計は、一般会計から公設の特別養護老人ホーム運営など介護サービス事業を覗き、勤労者福祉共済、母子寡婦福祉資金貸付、土地先行取得、海岸環境整備(補助のみ)、空港整備、市営住宅、市街地再開発(一部)、港湾管理、公債費(一部)を加えたものです。公益事業会計とは、
神戸市の会計のうち、上記の普通会計以外のもので、上・下水道、高速鉄道(地下鉄)、自動車(バス)、新都市整備などの公営企業会計や国民健康保険、介護保険給付などの事業会計(計16会計)があります。といった内容である。
神戸市の普通会計の市民一人当たりの貸借対照表(単位:千円)を作ってみると…
都市名 | 資産 | 負債 | 純資産 |
---|---|---|---|
神戸市 | 3,139 | 975 (31.3%) | 2,164 (68.9%) |
札幌市 | 1,859 | 644 (34.6%) | 1,215 (65.4%) |
仙台市 | 2,183 | 865 (39.6%) | 1,318 (60.4%) |
さいたま市 | 1,419 | 379 (26.7%) | 1,040 (73.3%) |
川崎市 | 3,434 | 773 (22.5%) | 1,984 (77.5%) |
横浜市 | 2,807 | 823 (29.3%) | 1,984 (70.7%) |
新潟市 | 1,362 | 537 (39.4%) | 825 (60.6%) |
静岡市 | 1,799 | 599 (33.3%) | 1,200 (66.7%) |
浜松市 | 1,926 | 443 (23.0%) | 1,483 (77.0%) |
名古屋市 | 2,158 | 986 (45.7%) | 1,172 (54.3%) |
京都市 | 1,980 | 960 (48.5%) | 1,020 (51.5%) |
大阪市 | 3,412 | 1,378 (40.4%) | 2,034 (59.6%) |
岡山市 | 1,323 | 493 (37.3&) | 830 (62.7%) |
福岡市 | 2,677 | 1,083 (40.5%) | 1,594 (59.5%) |
北九州市 | 3,010 | 1,044 (34.7%) | 1,966 (65.3%) |
となる。
この表の資産とは、昭和44年以後投資した道路・建物の全額で、空港は入っていない。負債は、上記の資産を作り上げるため、市民や企業に買っていただいた「市債」で、あくまでも昭和44年以後の投資全額だ。そう考えると、大阪市・川崎市・北九州市は比較的高いが、箱もの行政に偏向してでもいるのだろうか。この続きは、明日。